51 話し手が残すもの持ち帰るもの

ビジネス達人の教え

22-03-2023 • 15 mins

皆さまはビジネスプレゼンやミーティングで発表などに臨む際に、どれほど練習をされていらっしゃいますでしょうか。

プレゼンのトレーニングでこのようなご質問を頂きました。

プレゼンは練習、練習、練習あるのみ!ということは理解するものの、練習をしすぎると「こなしている」感が出てきて、聴いている方々に臨場感や感動を伝えられないのではないか。

というご質問でした。

例えば、私もラジオ番組の収録や他の方のポッドキャストでお話しをさせて頂く機会もあるのですが、それらの多くは、軽い打ち合わせをした後、リハなどは特にせずに実際の収録の場の空気感を楽しみながらの収録が多く、その方が、聴いていらっしゃる方にも私たちの臨場感や高揚感が伝わるな。と思ったりします。

それでも、プロフェッショナルとしてのビジネスプレゼンにおいては、練習をするメリットはあると思います。後半で詳しく見てまいりましょう。

プレゼンの準備の際、スライドに表やグラフ、数字、データーなどを盛り込み、そのスライドづくりに準備のほとんどの時間を費やしている方多くありませんか?実際に声に出して、プレゼンの練習する時間を取る方、どれほどいらっしゃいますでしょうか。

受講者の方々にお聴きすると、多くは、話す練習はほとんど行わず、プレゼンはぶっつけ本番の事もある。とおっしゃいます。練習をしていないと持ち時間内にスライドのすべてをカバーできず、結局駆け足で話したり、全く触れる事が出来ないスライドも出てきてしまった。。。という事もご経験あるのではないでしょうか。

プレゼンは相手の時間にも敬意を払い、お互いが共有する大切な時間の中で、しっかりと聴き手と繋がり、彼らに本当に持って帰ってもらいたいものに焦点を定めそれを文字道理プレゼントする場なのです。相手に意図がしっかりと伝える事ができ、それを持ち帰ってもらわなければ、お互いの時間のみならず、私たちが準備に費やした労力も徒労に終わってしまう事になってしまうのです。

プレゼンの伝えたいメインメッセージを明確にし、ゴールを決めたら、内容はそぎ落とし、シンプルにし、限られた時間の中で、しっかりと伝えられる練習をして行くことがとても大切です。そうすることで、実際のプレゼンの際に聴き手の反応や興味のレベルで強弱をつけていく余裕が生まれるのです。

私のクライアントの、ある外資系ホテルに宿泊させて頂いた際の事です。朝食のビュッフェのエッグスタンドに立っていたNシェフにお勧めのオムレツを訊ねてそれを作って頂きました。Nシェフのお勧めは「シラスとチーズ」のシンプルなものでした。私は、普段であれば、チーズ、ハムにピーマンも玉ねぎもマッシュルームもホウレンソウもトマトも、、、、とにかく全部てんこ盛りで頂くところですが、、、この時は、このシンプルを極めたオムレツでシラスとチーズのお味をしっかりと堪能することができ、シンプルなものが華美なものを超えるインパクトを残せることを確信しました。

これはプレゼンにも通じるものがあると思いました。

プレゼンも練習に練習を重ね、本当に受け取ってほしいメッセージを絞り込み、その限られたメッセージを心を込めて丁寧にお届けすることで強いインパクトを残せるのです。

実際に、先日のプレゼントレーニングで、受講者の方々に何度か同じプレゼンを練習した後に最終プレゼンをしていただいたのですが、トレーニングの最後の気づきの共有の際に、受講者の方が「同じ内容を何度か練習をしたときのほうが余裕もあり、さらに感情も込める事もできました。」「内容をシャープにした方が、相手がメッセージを受け取り易くなっていいたと思います。」とおっしゃっていました。何度か実際に声に出して練習をするメリットを感じて頂けたようです。

最近YouTubeでピアニストの方のピアノ演奏動画を観る機会があったのですが、プロのピアニストの方でも1回の演奏のために1000回練習した。とおっしゃっていました。それだけ練習した演奏でしたが「こなしている感」はまったくなく、その方自身の心を震わせて愛を持って奏でたメロディーは聴き手の心をも震わせることができるのだと確信をしました。

プレゼンも、1000回とまではいかなくても、本当に伝えたいと思うシャープなメッセージを心から話せるようになるまで練習をしてみましょう。そうすれば、そのメッセージと向きあったあなたの姿勢が聴き手に伝わり、それがあなたのパーソナルブランドとして輝きを放ちます。