ビジネス達人の教え

Dale Carnegie Tokyo Training

日本のビジネスで成功するためには、リーダーシップ、セールス、プレゼンテーションスキル、そして相手を動かす力が必要です。 この番組では、実際のビジネス経験に基づき、実践的な方法で、成功するためのスキルを向上させ、どんな問題に対しても適切なソリューションを提供するためのヒントをご紹介します。 read less
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78 チャレンジを導くリーダー
15-04-2024
78 チャレンジを導くリーダー
リーダーはチームメンバーから好感を持たれ、チームメンバーお一人お一人の視点にたって物事を見、しっかりとお話しを聴く。これが、大切です。このことは、このポッドキャストをお聴きの方でしたら、ご存じだと思います。それぞれのチームメンバーが何を望んでいるのかを理解することは、エンゲージメント向上には欠かせない要素なのです。「リーダーは嫌われてなんぼ」という言葉に逃げて、自分の好感を持ってもらえるように取り組む事を後回しにしているリーダーの方は、エンゲージメント促進の機会損失ですね。今日のビジネスの世界では、賞賛の仕方を学び、成長機会をうまく提示する必要性が多く語られております。リーダーが笑顔を絶やさず、感謝の気持ちを伝えることは、チームメンバーのみならず組織にとっても素晴らしい変化をもたらすでしょう。お一人お一人のメンバーにその方の価値を伝えることは、彼ら自身が自分と自分の仕事に誇りを持つための鍵となります。リーダーは支持命令をするよりも、良い聞き手になり、チームメンバーの自発的な行動を促し、成長意欲を刺激することが求められます。そのように心理的安全性が担保されている組織はチームメンバーの挑戦を促すのです。 心理的安全性を保つために良い聴き手になり、賞賛することに加えて、リーダーとして心得るべき大切なポイントがあります。 チームメンバーの挑戦を促す上で重要な組織の心理的安全性を保つための、大切なリーダーの在り方をみてまいりましょう。 それは、もし自分が間違っていたら、素早く誠実に認めることです。そして常に自分の失敗談を共有しましょう。そうすることで、チームに対して「私は完璧ではなく、そして皆さんも完璧でなくても大丈夫ですよ。」というメッセージが伝わり、失敗も受け入れられる安心安全な環境が作られるのです。リーダーが完璧主義で隙がなく、失敗を許さない!というメッセージを発していたら、チームメンバーも委縮してしまいます。無難なチャレンジしかしなくなります。失敗も大歓迎し、挑戦したこと自体を賞賛するカルチャーがあるかないかで、メンバーのアウトプットは大きく変わるのです。 誰かがアイデアを出したら、彼らの意見を尊重し、質問をしながら聞いてみましょう。そうすることで、チームメンバーが自分たちのアイデアに責任を持つようになります。補足すべきことに自ら気づいたりすることもあります。チームメンバーの立場に立って物事を見ることで、彼らが理解されたと感じ、その結果、チーム全体が目標に向かって一丸となり取り組む姿を見せてくれるでしょう。チームメンバーの成長を讃え、彼らが開拓者であり、重要な人材であることを伝えることが大切です。 このような新しいアプローチを実践することで、チームメンバーがリーダーに好感を持ち、尊敬してくれるようになります。自らアイディアを出し、私たちが声をかけるより前に率先して相談をしてくれるようになります。そして、安心してチャレンジをしてくれるようになるのです。 ですから皆さん、チームメンバーの心に光を灯し、挑戦を促すバトンを渡しましょう。そうすれば、チームメンバーは渡されたバトンを持って遠くまで力強く走り続けてくれます!
77 セールスの9原則 パート2
01-04-2024
77 セールスの9原則 パート2
1936年に出版されて以来、あらゆる自己啓発書の原点となった、デール・カーネギーの著書「人を動かす」。この書籍はセールスの皆様への応援メッセージも沢山ちりばめられています。今回も前回に引き続き、セールスの視点からデール・カーネギーの人間関係の原則を見て参りたいと思います。 改めてセールスに有効なデール・カーネギーの原則のうち、9つの原則を確認しましょう。  1)誠実な関心を寄せる   2)相手の関心に合わせて話をする   3)よい聞き手になる。相手に自分のことを話させる。   4)強い欲求を起こさせる    5)相手にその考えを自分のものだと思わせる   6)誠実に相手の視点から物事を見る   7)相手が即座に「イエス」と答える質問をする   8)相手の考えや希望に共感する   9)演出を考えて伝える  それでは、早速、5番目以降の原則をご紹介してまいりましょう。 5)相手にその考えを自分のものだと思わせる  製品の良さやスペック、購入するメリットをセールスの視点で伝え続けて、結局商談がまとまらなかったことはありませんか。セールスパーソンは常にお客様よりも自社製品や業界、ソリューションに関する多くの情報、データ、知識を持っていることは当然です。実は、残念ながら、それらを伝えること自体は、お客様の決断の決定的な後押しにはならないのです。当然ながら、それらの情報やデータは、商品カタログやサイトを見れば分かる事であったりもします。では何をすればいいのでしょうか。セールスとは、お客様が思いもよらない可能性を発見できるように支援することなのです。そのためには、お客様に質問をし、お客様に「その考えはセールスパーソンから言われたことではなく、自分で導いた最善の解決策だ」と思ってもらうように時間を使うのです。皆様も何かお買物をしたとき、セールスパーソンとの対話によって、自分が考えもしなかった自分の価値観に気づき、思わず購入の決断をしていた。という経験をしたことがあるのではないでしょうか。これがセールスパーソンのお仕事です。お客様が豊かで貴重な洞察をもとに自分の世界観を再構築し、お客様自らが最良の購入決定を下した。と思っていただけるよう支援する事なのです。 6)誠実に相手の視点から物事を見る   私たちは皆、様々な経験から、異なる視点や価値観を持つに至っています。もともとのギリシャ語とラテン語での「教育」は、情報やアイデアを「注入する」のではなく、「引き出す」という意味でした。セールスパーソンが相手から考えを引き出す事を成功させるためには、異なる価値観を持つお客様の世界観を深く理解し、共感するためのコミュニケーションスキルが大切です。お客様をより本質的なレベルで知り、お客様の「なぜ」を理解し、共感する必要があるのです。そこに到達するためには、何度もミーティングを重ね、忍耐強く取り組み、正しい心構えや真意を理解することで信頼を築くのです。そのためには、自分の欲しい結果に集中するのをやめ、代わりにお客様に集中する必要があります。そうすれば、お客様のニーズと「なぜ」に最も深く共鳴するものと完全に一致する製品をお客様とともに産み出すことができるでしょう     (7)相手が即座に「イエス」と答える質問をする   これは、心理操作をするようなことではありません。お客様と共に良い時間を過ごすために、お客様が「はい」と答えやすい質問をしてあげることで、双方がポジティブな感情で繋がる事ができます。この時に気をつけなければならないのは、「はい」と答えさせようとして、適当な浅い質問をすることは避けるという事です。全てのコミュニケーションを通し、目の前にいらっしゃる方の本当の価値観や、自分もその方が大切にしているものを大切に考えています。というメッセージを送ることを心掛けましょう。  (8)相手の考えや希望に共感する   セールスパーソンはお客様の感情を大切にし、お客様が購入するソリューションがお客様の希望を叶えるということをしっかりと提示してあげることを目指します。お客様の願いは、商品を購入することで状況を改善するということです。私たちセールスのお仕事は彼らが何を望んでいるのか、そして「なぜ」そう考えるのかを知ることです。お客様の原動力をしっかりと理解することで、お客様の期待にどのように一致するかを示すことができます。お客様は、自分の考えや希望に共感してくれるセールスパーソンとお取引がしたいのです。  (9)演出を考えて伝える  私たちは、常に多くの情報を処理しています。携帯で、知りたかった事を調べるつもりが、つい知る必要のない多くの情報が入ってくるままに時間を過ごしてしまう事もあります。つねに新しい情報で上書きされ、昨日得た情報すら記憶に残っていないという事もあります。私たちセールスパーソンには、お客様が日々得ている多くの情報の中から、記憶に残り、心に響くクライアントバイイングジャーニーを提供することが求められるのです。 セールスパーソンはお客様がカラフルな描写を脳内に再生できるよう、優れたストーリーテラーになる必要があります。商談の際は、お客様のお話しをお聴きすることに徹する我々セールスパーソンが発言できる時間は限られています。そのため、セールスパーソンは「何をどのように」話すかについては非常に慎重になる必要があるのです。言語情報と視聴覚情報を一致させ、重要なメッセージをしっかりとお届けできる表現力も大切です。 以上、9つの原則いかがでしたでしょうか。 セールスパーソンはうまく話すことが大切だと思っている方も多いと思いますが、お客様が安心し、心地よい決断ができた。と思えるような時間を共に過ごせる人格を兼ね備えているということが、最終的には大切なのです。  セールスの皆様が、今回ご紹介した9つの原則を参考にし、セールスというお仕事をより楽しみながら、お客様の信頼されるビジネスパートナーとなって頂けることを願っております。
76 セールスの9原則 パート1
18-03-2024
76 セールスの9原則 パート1
1936年に出版されて以来、あらゆる自己啓発書の原点となった、デール・カーネギーの著書「人を動かす」。セールスの方々にも、この本は大変有効です。 プラトン、ソクラテス、マルクス アウレリウスなどは1936 年よりだいぶ昔、千年以上も前に存在していた方々です。私たちは今でも彼らの哲学を研究し続けています。デール・カーネギーもこの古の哲学者たちからの学びを研究し、彼らの叡智のエッセンスを現代の私たちに提供してくれました。デール・カーネギーが目指したことは、特にビジネスの場面で、私たちがお互いに、より良くなれるように支援することでした。デール・カーネギーは、他者、特に協力関係を得たい方々とうまく付き合っていくための原則を考案しました。  多くの場合、セールスパーソンはフレンドリーであるほうが好まれます。古く中国では「笑えない人は店を開いてはいけない」と言われていたほどです。お客様も同じ人間です。人々とうまくやっていくために、行うべき基本的なことがあります。残念な事に、それらを知っていても、その知識を活用できていません。つまり、知っていると、しているの違いです。今日は、セールスパーソンのみならず、私たち全員がお客様に対してより友好的になれる9つの原則を紹介します。  まずは、その9つの原則をご紹介します。  1)誠実な関心を寄せる   2)相手の関心に合わせて話をする   3)よい聞き手になる。相手に自分のことを話させる。   4)強い欲求を起こさせる    5)相手にその考えを自分のものだと思わせる   6)誠実に相手の視点から物事を見る   7)相手が即座に「イエス」と答える質問をする   8)相手の考えや希望に共感する   9)演出を考えて伝える   これらの9つの原則について、本日と次回の2回に分けてみてまいります。 今日は4つご紹介します。  それでは早速、セールスに有効な原則4つを見てまいりましょう。  1)誠実な関心を寄せる  お客様は、セールスパーソンが自社製品やサービスについて熟知しているかどうかよりも、お客様ご自身が何を望んでいるのか、にしっかりと関心を持ってくれているかどうかを重要視します。ところが、セールスパーソンが自社製品の機能のすばらしさや、自分の目標達成に夢中になり、それを購入して使ってくれる人が実際に何を望んでいるのかに焦点を合わせられなくなることがよくあります。ディールをクローズすることだけに気を取られ、それを使ってくれるお客様個人の関心事に気にかけていないことは、お客様にも伝わってしまうものです。長期的にセールスとして成功をするには、お客様を本当に理解することに専念することが近道であったりします。この原則「誠実な関心を寄せる」のキーワードは「誠実な」です。お客様を理解することに誠実に焦点を当て、お客様に真のサービスを提供し、パートナーシップを築くことを意味します。私たちはお客様の成功に全神経を集中しましょう。そうすれば、私たち自身の成功に繋がります。  2)相手の関心に合わせて話をする  セールスパーソンが、自分が話したいことを中心に会話を選択していること、お客様には伝わっています。セールスパーソンは自分の興味中心で、お客様の興味は二の次になってしまうことがよくあります。あるいは、逆に口下手で悩んでいます。というセールスパーソンからの相談を頂くことがありますが、実は、セールストークというものは存在しないのです。お客様との対話は、お客様のニーズを引き出すための質問をし、お客様が何に興味を持っているかを明らかにします。セールストークではなくセールスパーソンからの質問によってお客様の興味を引き出し、お客様の関心に集中するのです。セールストークをしなくても、お客様自身が話してくれるのです。簡単なことのように聞こえますが、セールスパーソンは話すことが好きで、気づかないうちにお客様の話を聞いていない、ということに陥りがちです。ぜひ、次のクライアントとの会話で、自分自身をチェックしてみましょう。    3)よい聞き手になる。相手に自分のことを話させる。  よい傾聴とは、ただ頷くだけでなく、相手の真の関心を導く鏡になる事です。セールスパーソンからの適切な質問によって、お客様は自分自身について、じっくりとたくさん話すことが可能になります。興味を持っているお客様の多くは、雑談や余談も交えながら、思った以上に多くの重要な事を話してくれる事でしょう。このようなお客様との対話から、私たちは彼らの価値観、興味、絶対に必要なもの、あったら望ましいもの、主要関心、そして購買動機について多くのことを学ぶことができます。そして、1回の商談で合意が得られなくてもがっかりしないでください。セールスは短距離走ではなく、マラソンの伴走のようなものです。顧客との長きに渡るバイイングジャーニーにを共にできるよう、心を磨いておきましょう。  4)強い欲求を起こさせる  これは優れたコミュニケーター、つまり他者の情熱と熱意を呼び起こすことができる人になることです。セールスとは「正義」の信念に基づいて、お客様にとって本当に役立つ商品を提供すること、そしてその情熱を伝播させることです。さらに、セールスパーソンのお仕事として、お客様がより良い結果が得られるよう支援することです。お客様が決断の恐怖を克服できるよう背中を押し、行動を起こせるようにサポートしなければなりません。ニーズがあるにもかかわらず、すぐに行動を起こすことができないお客様が、一歩前に踏み出せるようになるまでに寄り添ってくれる心のよりどころになれるセールスパーソンこそが、お客様のトラステッドアドバイザーとなるのです。セールスパーソンの考えを押し付けるのではなく、お客様自身の真の欲求を起こさせてあげるために、お客様と一体になり、何がお客様にとっての最善かを導くための質問をし、お客様が自分自身のアイディアが明確になるお手伝いをします。ソクラテス的問答方法により、お客様の強い欲求を起こさせるのです。  デール・カーネギーは人を動かすの30の原則を考案しました。それら全てがセールスにとって有効であることは言う間でもありません。 本日はその30の原則の中から、特にセールスに有効な原則9つのうち4つを見てまいりました。 デール・カーネギーは有能なセールスパーソンでもあったため、これらの原則は彼自身のセールスの経験も反映されています。 セールスパーソンとしてテクニカルなスキルを持っているかどうかはもちろん大切ですが、売れているセールスパーソンほど、スキルに頼らず、顧客フォーカスのバリューセリングができているかを常に心がけている傾向にあります。今日ご紹介した原則を無意識レベルで実践できるセールスパーソンにお会いするとウットリしてしまいます。 皆様にも、これらの原則を実践していただき、お客様の信頼されるビジネスパートナーになり、末永くウィンウィンな関係を構築していただけると嬉しいです。
#75話始める前に聴き手の心をつかむ
04-03-2024
#75話始める前に聴き手の心をつかむ
1993年1月31日、パセデナ。マイケル・ジャクソンがスーパーボウルに出演した時の事です。スモークの中から突然ステージに飛び出し、右を向いてマイケルたるポーズでピタリととまりました。そのポーズは1分8秒間に及びました。微動だにしません。一分8秒後、一転して左を向き、サングラスを取り、さらに20秒間同じポーズを取り続けます。10万人近いファンが熱狂するスタジアム全体を想像してみてください。その観衆を前に、言葉を発せず1分以上も動かずに立ち続けるには、とてつもない度胸と自己信頼が必要です。  先日のプレゼントレーニングでも、クライアントの方々と自分がプレゼンターとしてどう映るかというのを映像を見ながら検証していました。 受講者の方々は、動画を停止して、静止画面に映る自分の立ち方を見ただけで、「自信がありそうに見えるか、一目瞭然ですね。」という感想をお話ししてくださいました。そうなのです。 私たちは、ビジネスプレゼンで、何を話すかに意識を向けがちですが、一言も発せずに自分を表現してください。と言われた時にどのようなメッセージを発しているかに意識を向けているでしょうか。  ビジネスプレゼンの場で、微動だにせずに1分以上も何もしゃべらずに立っているなんて、現実的ではないかもしれません。人の第一印象は数秒で決まると言われています。つまり、話始める前に、その方の印象はだいたい決まっているのです。それと同時に、そのプレゼンターのお話への期待のレベルは、ほぼ決まってしまいます。 ビジネスの場で、マイケルの例を応用して、聴き手に期待を持たせるためにはどうしたらいいのでしょう? 指名されて前に出るときの足取りはいかがでしょうか。指名され、立ち上がる瞬間から、聴き手の視線はスピーカーに集まります。しっかりと立ち上がり、優雅に歩き、マイクの前に立ち、聴き手の拍手が鳴りやむまで落ち着いた表情で待つ。出来てますか? 緊張のあまり、会場には目も配らずに早口で話し始める姿は、聴き手の期待のレベルにはどのような影響があるか、、、考えただけでわかります。話の内容以前に私たちが発信する情報のウエーブは聴き手に届いているのです。  ぜひ、話す前に、しっかりと間をとり、聴き手と呼吸をあわせましょう。自分では不自然かな、、、と思われるくらいの間をとっても大丈夫です。 自分を整え、場を整えてから話すことで、話始める前から、お互いの心が繋がるのです。 せっかく間をとり、期待感を高めた私たちのスピーチのオープニングは印象的でなければなりません。聴き手が私たちに集中し、最後まで話しを聴きたくなるような、力強いオープニングである必要があります。そのオープニングは、引用、統計、事実、または物語、ストーリーテリングであると有効です。瞬時に聴き手の頭の中にイメージの絵を描き始めてもらえる始まりにするのです。  最後に、普段から練習をしておくことは、とても大切です。何度も練習をすることで、贅肉がそぎ落とされ、心の余裕がむき出しになってくるのです。立ち上がるその瞬間から素のままで素晴らしい、素敵なプレゼンができるのです。  ですから皆さん、ノンバーバルなメッセージは常に駄々洩れであるということを肝に銘じ、自分のパーソナルブランドを確立することも意識していきましょう。聴き手と繋がり、さらに楽しいプレゼンの時間を聴き手と共にクリエイトする事ができます!
74 リーダーに求められるコミュニケーションの極意
19-02-2024
74 リーダーに求められるコミュニケーションの極意
プレーヤーとしては泣かず飛ばずだったスポーツ選手の方が、素晴らしい指導者として成功することはある。というお話しはお聴きになったことがあると思います。私たちの身近なビジネスのシーンでも有能なプレーヤーがチームを率いる事に長けているわけではない事例は沢山ご存じだと思います。 変化が激しいこの時代は、リーダーの持つ人格により、チームメンバーが離職したリ、心身の不調により休職することも珍しくありません。 今は、適任の人財を採用するのがとても難しく、ある企業では一人を採用するために、約一年かけて40名以上の方々を面接し、採用を決定したそうです。しかも、複数の方が面接をし、面接に携わったそれぞれの方が、システムにレポートを入力するそうです。そして、社内でレビューミーティングをする。適任の方が現れて採用を決定するまでにそれが何度も繰り返されるそうです。当然ですが、採用した後の手続き、その方のオンボーディングのためのトレーニングや、社内システムを整える作業が発生しますので、人件費だけでなく、時間という大切な資産も数百時間を当てなければなりませんでした。 リーダーに求められる資質として、メンバーのエンゲージメントの向上は、これまで以上に注目されてきています。  それでは、リーダーはどうすればコミュニケーションスキルを向上させることができるでしょうか? 取り組むべきことは沢山ありますが、今日はその中から具体的な 2 つの項目を見てみましょう。   1. チームメンバーの立場に立って、その方の話に共感するように努めます。 リーダーは時に自分がチームメンバーと同じ年齢、同じステージにいたことをつい忘れてしまうものです。私たちは、自分たちのキャリアは、何の傷もなく完璧に形成されたのでしょうか。実際はそんなことはありません。キャリアの中で数々の失敗をし、そうやって自分自身を教育してきました。 チームメンバーと話すときには、彼らのキャリアと同じ頃の自分の欠点や失敗談などを話してみましょう。逆にチームメンバーも自分の悩みや困っていることを打ち明けやすくなり、私たちの助言を聞き入れて、アウトプットにも進歩がみられるかもしれません。チームメンバーに共感できるようになるとチームメンバーは心強く感じ、背中に羽が生えるように軽やかにアウトプットができるチームが形成されます。 私たちは、相手が話しているときは最後まで傾聴し、たとえそれがうまくいくかどうか疑問であっても、いろいろなことに挑戦するよう励まします。そうするのは、私たちがそうやって学んできたからです。私たちはいろいろなことを試し、そして失敗から成功を選別しました。 私の上司も「最大の失敗は成功しないことではない。挑戦をしない事です。」と言い続けてくれています。 失敗を許容できるリーダーはチームメンバーの信頼を得る事ができるのです。  2.非言語的な手がかりを得るためにチームメンバーに関心を寄せる  忙しいリーダーは、つい、結論や結果に最短距離で到達したいという思考を持ちがちです。 メンバーの方々の視点でみると、彼らは結果だけではなく、そこに達するまでの強い思いも伝えたいでしょう。うまくいかなかったときこそ、メンバーの方自身だって、その結果で満足していない気持ちは同じと思っているでしょう。 私たちは、彼らのその想いに耳だけではなく目も心も傾けているでしょうか。 私たちは、ゆっくりと、そして注意深く、私たちが耳にする言葉以外のチームメンバーのパターンを探すべきです。私たちが何かを言ったとき、彼らが顔をしかめたり、ある動きをしたことに気づくことがあります。彼らのボディーランゲージは「それは賛成できない」と伝えているのですが、彼らの口からはそういった言葉は出てきません。 私たちは、自分が言ったことがそのように伝わることを意図していなかったかもしれませんが、否定的な反応に気づけば、ダメージコントロールができます。 コミュニケーションは内側の心の反映です。意識すれば変えられるものでもあります。リーダーにとっては沢山の事に配慮しなければならないという点では難しい時代になってきました。逆の視点からみると、ビジネスのシーンでも、より人間の本質に目を無向け、気を配り、周りの方との調和を取る事の大切さが語られる素晴らしい時代となったと言えるのではないでしょうか。この時代に生きる私たちで新しい価値観を祝福し、この丸い真心の輪を世界にもつなげていきましょう!そうすれば、私たちにもその真心が返ってきます!
73 組織変革の中で生きるセールスの皆様へ
08-02-2024
73 組織変革の中で生きるセールスの皆様へ
セールスの皆様、自分が所属する組織体制の変更、変革の影響を受けたことがあると思います。組織統合や吸収合併または人事異動により組織のトップが変り、これまでと違う方針に変わってしまった。その事により、これまでスムーズに行われていたビジネスに影響が及ぶこともあります。それから5年後ならまだしも1年後にさらに別の方が就任し、再び方向転換するということも稀ではありません。トップの交代により、現場は右往左往するという構図です。  このような組織変更は、セールスの私たちにとっては大きな影響が出てまいります。お客様の方を向いてお仕事をしたくても、組織内の変革への対応にも気を配る必要が出てきて、これまで通りのスピードで前向きに進むことができなくなるのです。時には急ブレーキをかけて方向転換する必要があります。  これまでもこのような状況に直面したクライアントの皆様からご相談が寄せられました。セールスの皆様はこのような内部的な変革への対応に翻弄するあまり、クライアントとのコミュニケーションに時間を割くことが妨げられてしまうことも往々にしてあります。新しい体制を整えるための内向きの業務が増え、新な報告書作成に追われ、組織変革に向けたミーティングに召集されるのです。そしてさらに、部下を持っている方でしたら、新体制への不安を抱えたチームメンバーの心のケアにも気を配る必要が出てきます。実際の顧客のために割く時間が欲しい!という思いと裏腹に、過ごす時間の流れをコントロールできない歯がゆさ、心から共感します。セールスパーソンの多くは、管理業務、フォーム入力作業、報告書類作成などをする時間があったら、クライアントのために時間をもっと有効に使いたいと思う傾向にあります。しかし、このような組織の変革への対応も組織に属する我々には避けて通れない関門であることも事実です。 タイムマネジメントのセッションにセールスの方が参加してくださる事も多くあります。我々セールスパーソンは相手がある仕事をしているのですが、タイムマネジメントは自分を変えれば必ずだれにでもできる事だという実感することができるとおっしゃっていただけます。デール・カーネギーの原則を学ぶ事で、時間管理の達人になる事ができるという、私も大好きなセッションです。その中で、時間管理の妨げになる外的要因、内的要因についてお話しをします。つまり今回のように組織変革の影響でクライアントのために割く時間が取れないという事は、外的要因により時間管理が妨げられているということになります。私たちは、タイムマネジメントの第2象限が金塊の保管場所であることを知っています。つまり、第二象限に分類される項目は、最優先で取り組まなくてはならない項目なのです。五月雨式に振ってく目のまえにあるタスクに取り組む前に、一度しっかりと時間を確保してプランニングすることにより、より余裕が生まれ、実際にお客様のために割く時間を確保しやすくなります。 やりたい事のみならず、やるべきタスクが日々沢山ある私たちですが、だからこそ、優先順位をしっかりと意識し、最も重要なことに集中する必要があります。そのためには、計画を立て、時間をしっかりと確保する必要があるのです。少なくとも最も重要なことを1つでも2つでも行っていることで、心の平安が保たれるものです。昨日、私は、まさにアメリカ人でコーチングを一緒に学んだクラスメイトにもこのような話をしました。一見仕事と関係無いように思われるかもしれませんが、最近の私は睡眠時間がこれまでよりも毎日一時間程度長くなり、自分を整えることが最優先で出来ているきがしてます。そのことでストレスが減り、暴飲暴食が減り、身も心も軽くなります。そうするとさらに活力が生まれ、エクササイズやストレッチなどをする余裕ができます。すると常にやる気のレベルが上がり、仕事においても集中的に取り組むことができるようになりました!それなので、全てにおいて効率があがり、また一巡して睡眠にあてられる時間が長くなってきました!この事は鶏が先か卵が先かのようなお話しなのですが、効率を上げたければ、お勧めは先じてゆっくり休む事です。先に効率を上げて空いた時間で休もう。ということが得意な方はそれでもいいですが、先に効率を上げようとする方に多い傾向は、結局空いた時間でも仕事をしてしまい、その結果燃え尽きてしまうのです。つまり、沢山働いてから休むは逆に難しいということが多いです。もちろん、時には休む時間を削って緊急で重要性が高いことに先に時間を割く必要が出る日もあるかもしれません。そのような時は、自分のプランが甘かった、、、と落ち込みそうになるところをぐっとこらえて、また気を取り直して翌日から時間をコントロールするように心を入れ替えれば大丈夫です。  そして、セールスとして、これも意外に大切なことですが、Win-Winなクライアントと多くの時間を費やせるように自分を整えておく必要があります。 我々が出会うクライアントには3つのグループがあります。決して買ってくれない方、いずれ買ってくれる方、そして、今すぐ買ってくれる方です。もちろん、どのお客様も大切です。決して買ってくれない方も将来どなたかを紹介してくれることもあるからです。しかしながら私たちの時間は限られています。私たちの大切な時間を費やすべきお客様はどのようなお客様でしょうか。 セールストレーニングでもウィンウィンなお客様はどのようなお客様でしょうか。ということをディスカッションする機会があります。お客様の中には、タイミングが合わなかったり、波長が合わず気持ちよくお仕事ができないお客様もいらっしゃるかもしれません。今後はそのようなお客様を手放した方がいいかもしれません。そして、私たちが本当にお付き合いするべき方々との時間をしっかりと確保できるようにすることは、大切なマインドなのです。時間がないときは特に、私たちは日々をどのように過ごすか、誰と過ごすかに高い価値を置くかを意識しなければなりません。資産がある方の多くがおっしゃるのは、「お金はまた作れるけれど時間は失ったら取り戻すことができない。だからこそ時間が一番大切なものです。」そう、彼らは金銭的な収支だけでなく、自分の時間の価値を計算します。特に難しいクライアントは、この時間の価値という観点を加味すると高くついてしまうのです。そのようなクライアントは思い切って手放しましょう。 今目の前にいるクライアントを大切にし、私たちが本当に心を通わせ、お互いにウィンウィンの生涯のビジネス・パートナーとなる素晴らしいクライアントにエネルギーと時間を集中させましょう!そうすれば、更なる好循環のサイクルが産まれます。
72 日本のプレ禅テーション
23-01-2024
72 日本のプレ禅テーション
年末年始、忘新年会のシーズン。様々なイベントで、スピーチをお聴きになる機会も多かったのではないでしょうか。 印象に残ったスピーチはありましたか? そしてそれらは、どうして皆様の心に残りましたか?  昨年末、フランス人のマーケッターのJsanと、とても興味深いお話しをしました。 彼は「日本人は行間を読むことができるので、あえて短い言葉でお話をし、その言葉の余白の余韻を味わうということができますし、日本語自体が擬音語や擬態語を用いて少ない言葉で多くを伝える事ができる言語でもあると思います。」とおっしゃいました。  プレゼンに限ったことではないですが、短い言葉で厳選したメッセージを伝えることで、聴き手の持ち帰りが多くなる。と言われています。 プレゼントレーニングのご相談でも、「なるべく短くまとめて伝える方法を学びたい」というお問い合わせがとても多いです。 短い言葉にまとめるというのは、断捨離に似ています。本当に、本当に、大切な言葉のみを厳選し、それ以外はそぎ落として、敢えて多くを説明しなくても、状況が浮かぶよう、短い表現を用いるというのは、よほど意識しないと難しいですが、厳選し残した言葉は力強く、際立ち、心に残る。それは、そつなく流れるように話すよりも強い印象を残します。その言葉で心が震え、鳥肌が立つのです。     当然ですが、上手なお話しでも、多くを伝えると、聴き手は何が重要かわからず、結局何も覚えていないという事は多く起こります。話す方も聞くほうも長い時間を費やしたにもかかわらず、聴き手が持ち帰りもなく心のモヤモヤだけを持ち帰ることになったら、お互いに「骨折り損のくたびれ設け」です。 プレゼンの目的は何でしょうか。相手にプレゼントを渡す。が語源になっているという事は以前もお伝えした通りです。せっかくお話するのですから、聴き手にはしっかりとメッセージを伝え、何かお持ち帰りいただきたいですよね。 短い言葉がより強い印象を残し、聴き手の心に好印象を届けるという事に加え、話す際の落ち着いた表情や態度、聴き手との繋がり、一体感というノンバーバルな部分からは言葉以上に多くの事を伝えています。間を効果的に使い、ゆっくり話すことで、聴き手に味わう時間がもたらされます。 弾丸のように話し、弁が立つ。と思われるよりも、ゆっくりと話し、多くを語らなくても、好感を持たれ、人々から支持をされ、この方の影響力は素晴らしい!と自然に思ってもらえるようになるのです。 セールスの方もそうです。話すの苦手なんですよ。。。とおっしゃるセールスパーソンこそ、売れているという事は往々にしてあります。お客様から「饒舌な隙がないセールスパーソン」と思われて徳をすることはあまりないように思います。その理由は皆様もなんとなく感じるところがあるのではないでしょうか。 冒頭でご紹介した、フランス人のJさんは日本語でも英語でも、いつも一生懸命に真心で言葉を選び、ゆっくり、そして短い言葉で話してくれます。だまってゆっくり考えている時も、そこには豊な心地よさが流れます。だからこそ私にとってはJさんからのメッセージは時間が経っても心に刺さり続けているのだと思いました。 ですから皆さん、厳選した言葉を真心で紡ぎましょう。そうすれば、聴き手は受け取った宝物をいつまでも大切にもち続けてくれます。
71 自分で自分を「整える」ということ
09-01-2024
71 自分で自分を「整える」ということ
71 自分で自分を「整える」ということ 年末年始に新たな夢や目標を考えた方々も多いと思います。そして、昨年末のポッドキャストでもお話しをした、年末年始に自分や周りに感謝を向ける「感謝祭」をされた方がいらっしゃったら嬉しいです。年が変わり、今年は特に年始から急激なエネルギー、「気」の変わりのようなものを感じている方も多いと思います。クライアントの皆様からは、「今年は自分の場所で自分ができる事に最善を尽くすことで貢献していきたい」というようなメッセージも多く頂きました。自分ができることに尽力することを我々一人ひとりが実践し、周りの人の心に火を灯すことができれば、いつかまわりまわって遠くの顔も名前も知らない誰かの心にも火が灯るでしょう。そうすることで、世界中が明るくなっていくことが出来るのです。そのためにはまずは自分の心に火を灯し、自家発電できるようになったら素敵だと思います。そのような暖かさを伝播させる役割を私たちは担っていると改めて感じるこのごろです。 私も長年、自分を先に満たすことは自分勝手なのではないか?と思っていました、しかし、それは、自分勝手とは対極で、自分を満たすことは、常にどんな状況でもその場所にいる自分の気持ちを自分で整えることができる人になる。「自分の「気」を整える事ができる人になる。」という事なのだと思います。それは、自分に感謝することで元気、勇気、やる気のエネルギーを自家発電できるということです。そうすることで自分と同じように他者も大切にできるようになっていく。ということなのです。自分を自分がしっかり認め、信じてあげられるからこそ相手の事も認めて、信じてあげられるようになるのです。  特に、昨年末に私のポッドキャストをお聴きになり、「感謝祭」を行った皆さんであれば、このまずは自分を認めて満たす事の必要性は馴染みがある事になってきていると思います。 自分が満たされていないまま相手に与え続けると、相手を認めたりギブする事で、自分にエネルギーをチャージしているということになります。すなわち、相手を認めることができる自分は素晴らしい!相手に与えているから自分は素晴らしい!という○○だから自分は素晴らしい!という「条件」を満たすことで自分を認ている人になり、他者を「自分を満たす材料」にしていることになるのです。胸に手を当てて考えてみましょう。他者を使って自分が素晴らしいということを確認する方に人は魅了されるでしょうか?親しみを感じるでしょうか?すごく褒めてくれたり、Giveしてくれる方でもなんだか、自分が幸せそうじゃない方に対して違和感を持った経験はありませんか?字づらはポジティブな事を言っていてもなんだか人が集まらない、そんな方が頭に思う浮かぶ方もいらっしゃるかもしれません。 これをリーダーシップに当てはめても同じことが言えます。 自分で自分を整える事ができ、満たされているリーダーはなぜ魅力的なのでしょうか。 改めて、一つ考えて頂きたいと思います。 皆様はこのようなリーダーに会ったことはありませんが? 「あのリーダー、とても献身的だけど、なぜか人が集まらない。人々がついて行かない。」 そう言う方がいらっしゃるとしたら、その方は自分が満たされていないのに与え続けて居るのかもしれません。または相手にgiveすることで、相手からの賞賛を得ようという方だったりします。結局Giveしているようで、相手からの見返り、すなわちエネルギー、日本語でいう「気」を奪うことで自分を満たしているということになります。 最近の弊社のトレーニングの受講者の方々も、相手にgiveする前に自分を満たすこと。すなわち自己基盤が大切です。という共有をして下さる方が増えてきました。 弊社のトレーニングは、まずは自分の態度から変える。相手にフォーカスする。ということが大切という事をベースに行われますが、リーダーは自分を忘れているくらい、相手と一体になる。そのような存在になって本当の人望が集まるのです。常に自分の気が満たされているので、自分の気を満たすことを求めていない、そんな方々のところに人が集まるのです。 リーダーが圧倒的に充足感で満たされていれば、皆がその方を心の支えにするでしょう。常にその方がいるから安心する。その方の存在のおかげで自分にも思いもよらないような力が発揮できる。そんな守り神のような存在になってあげられるリーダーが求められる時代となったと確信しております。この世に神様が存在するとしれば、神様は自分のこと認めて!って大騒ぎしません。あーしろ、こーしろと多くを語らず求めません。そして、そもそも、その存在は目に見えないものであったり、手に取って触る事ができないものであったりもします。それでも、多くの人々はその存在の影響を受けているのです。日本でも、我々の多くは初詣や折に触れて、寺社にみんなが手を合わせるために集まります。その場所は目に見えない「気」が整っていて、その場所に行くことで「良い気」を頂くのです。その「気」は「勇気」になり、「元気」になり、「やる気」になり「景気」に反映されるのです。 それは、これまでの、隙がないリーダーや、一目置かれ、距離を持たれ、嫌われ役を買って出てピリッとした空気を提供するようなリーダー像とはだいぶ変わってきたと思います。結果を出すという上では、自分にも他人にも厳しく叱咤激励をしながら、周りに行動を促すというリーダーシップも存在します。そのような統率力により人が秩序を保つことができ、和を保つことができた時代があったからこそ、今の豊かさがある事を認め、感謝をした上で、これまでも、そして実はこれからも、時計の針を見ながら眉間に立てじわを寄せるリーダーシップよりも、羅針盤を持って夢を語るリーダーの基に人が集まるというのは世の常であるということを再確認したいと思います。 ですから皆さん、夢を集め、向かいたい方向に顔を向け、今日もこの場所で最善を尽くしましょう。そうすれば周りに自発的に集まった我々が皆で一緒に楽しく遠くに行くことができます!
70 自分が一番認めてほしい人から認められる人になるために
26-12-2023
70 自分が一番認めてほしい人から認められる人になるために
皆様、忘年会、新年会のシーズンですね。忘年会とはご存じのとおり、今年あった嫌な事は忘れて新しい年を迎えよう!お酒を飲んでワイワイして「笑う門には福来る」という発想の邪気払いのようなものです。さて、日本人が無意識に結構良く使う言葉の一つに、「反省会」があります。客観的に考えると、人々が集まって、反省している様子。。。を思い浮かべると、シュールというか、ちょっと滑稽でもあります。英語では反省会にそのまま該当する言葉はないですし、近年日本でも「反省会」という言葉は使わないようにしているというお話しをお聴きします。ディブリーフィングや振り返りミーティング、事後ミーティングなどと呼ぶカルチャーの会社も多いかもしれません。 2024年、皆様はどのようなビジョンをお持ちでしょうか。ビジョンという大げさなものでなくても良いです。1年後の年末年始、皆様はどのような場所で何をして、どんな気持ちでいらっしゃるでしょうか? 最近感じている事ではありますが、年々、達成したこと、所有した物ではなく、目に見えない心の充足感や、何を持っていなくてもそのままの自分という存在そのものを認められるようになりたい。という方々が増えてきていると感じます。そして、来年はそのような価値観がさらに一般的になっていくのではないかな。と感じております。 自分を認めるという点で、今年ご相談が多かったのは、私、自分に厳しくて、逆にチームメンバーには甘くしてしまうのです。またはその反対に、、、自分に厳しいから他者にも厳しくしてしまう。というようなご相談でした。 どちらのケースも「自分に厳しい」「知らないうちに自分責めをしている」故に、他者に遠慮してしまう。または自分に厳しいが故に他者にも同じことを求めてしまうので、他者に厳しくしてしまう。ということです。 他者に遠慮してしまったり、強く出てしまうのは、なぜでしょうか。。。それは、誰かから認められたい気持ちが見え隠れしているからということなのです。ここで考えていきたいのは、突き詰めると、、、私たちは皆、誰かから認められたいという生き物なのです。そして、誰かから認められたい私たちが、本当に認めてほしい人は誰でしょうか。 お気付きの方も多いと思いますが、我々は、自分が自分で良かったと思いたい。自分と良いお友達でいたいのです。つまり自分から認められたいのです。 デール・カーネギーは「人を動かす」という書籍を書きました。この本の英語の原題、日本語の直訳は「友達を得て影響を与える方法」となります。私たちは唯一、無二の生涯の友、「自分」の事をしっかり認めてあげることができてますでしょうか。 自分を認める方法ですが、様々な方法があります。一緒に考えていきましょう。 その一つには、自分で自分の良いところをあげてみることです。というと、なんだか恥ずかしい気持ちになる方が多いかもしれませんが、誰にも公表しなくていいので、誰も知らない自分の様々な部分をまるごと認めてみましょう。 自分の良いところを探すのが難しいという方は、今年自分に起こった感謝できる出来事を書き出してみましょう。何でもいいです。間に合わない!と思った電車に奇跡的に間に合った!とか、バス停に立ったらすぐにバスが来た。とか、小さいことでも良いです。同僚の笑顔が見れていい気分になったとか。。。 自分に起こった感謝できる事なら、そんなに恥ずかしくなく挙げられるのではないでしょうか。 次に、他者の良いところ、他者に感謝できることを書いてみましょう。可能ならおかげ様メッセージや感謝メッセージ、その方の良い点を伝えてみましょう。 誰かを応援することも良いでしょう。 誰かに感謝の言葉や応援メッセージを伝えると、良い効果があります。それは、自分が発した言葉を自分の耳も聴いています!脳は主語や時制を理解しないので、他者に言っている良いことは自分への誉め言葉として潜在意識は捉えます。 そうすると、良いことを思い出したり、見つけたりする脳の回路が活性化し、どんどん、小さな幸せに気づけるようになっていきます。そして、その頃には自分の良い点もどんどん書きたくなるかもしれません。 自分が今いる場所で、どこに行かずとも、幸せを見つけることができるようになってきたら、自分攻めが少しは減り、大丈夫。きっと何とかなる。意外とこのままでもいいのでは?と思えるようになってきます。そうすると、他の人にも極端に遠慮したり、強く出たりする自分が姿を消し、そのままの自分で相手に頼ったり、頼られたりというプラスとマイナスがうまく補い合える関係性が育っていきます。持っている力を出し合って仲間で最大のパフォーマンスを発揮できるというのは結局、自分のためになります。自信になります! ですから皆さん、年末年始は我々皆への「感謝祭」を行いましょう。そうすれば、自分で自分を認めて、自分という生涯にわたる最高の友を手に入れる事ができます!
69 率先してリラックスするメリット
12-12-2023
69 率先してリラックスするメリット
年末年始のシーズン到来です。一年の締めくくり、皆様はこの時期をどのように過ごしになりますか。毎年、バタバタと年末を迎え、家の片づけをして、帰省をしてなんとなくお正月少しのんびり過ごしたらあっという間にお休みが終わってしまいます。。。という方も多いかもしれません。年末年始のみならず、日々、自分が望む働き方と生き方を手に入れられたら素晴らしいですね。 これは、あくまでも個人的経験からのお話しですが、私は外資系企業に勤めていた期間が長く、海外の方々とお仕事をするというくくりで言えば、職業人生の全ての期間、外国の方々とのお仕事に関わらせて頂いております。海外の方々は12月初旬から休暇に入ることも珍しくありませんでした。その方々はそれぞれ要職についている方々も多く、仕事とプライベートのバランスのとり方がとても上手でした。今も、海外の経営者の方々とお話しをさせて頂くことが多いのですが、彼らが口をそろえておっしゃる事は、このようなことでした。「休暇の予定や自分との約束の時間を予めしっかりと確保する事がとても大切です。」 一方日本の我々の働き方の現実は、早々と休暇に入る外国人の同僚を横目に、カレンダー通りの休暇に少し前後のお休みをつけられたらいいかな。という程度。年末年始に限らず、2週間も3週間もお休みを取る事は就職してからこれまで一度もないという方もいらっしゃるかもしれません。さらに、コロナ禍でせっかく定着したリモートワーク期間は段階的に終焉を迎え、今ではオフィスに出勤する機会が増えた方々が多くなってまいりました。通勤に片道一時間以上かけている方も多いと思います。(その通勤時間にこのポッドキャストを聴いてくださっている皆様、ありがとうございます。)もちろん、出勤をすると、オフィスで直接同僚と交流を持てるという事はポジティブな側面ですが、物理的に睡眠時間が短くなってしまうというデメリットがあります。睡眠が7時間以下の方がチームにいらっしゃると、チーム全体の仕事の効率や心理的安全性を保つ事に支障をきたす。というデータもあるので、睡眠はとても大切なのです。 また、パーキンソンの法則をお聴きになったことは有りますか?その法則の一つは「仕事は費やすことが可能な時間いっぱいに広がる」というものです。皆様も、ある仕事をこなすのに、時間がいっぱいあったはずなのに、結局納期ギリギリになって焦ったが、なんとか間に合わせることができた!という経験はあると思います。ある雑誌の編集長の方もおっしゃっていました。「締め切り効果」を利用したほうが、集中力を発揮できる!のですが、実は、毎回思うのです。次回はもっと余裕を持って準備しよう。。。」それを聴いて私も「他人事ではないな」と、、、耳が痛かった事を覚えています。 外国人から見ると日本人は決定に時間がかかる、作業時間が長い。とみられているのは初耳ではないと思います。もちろん良い点としては、お仕事が丁寧なので、完成度の高いアウトプットを行う事が出来ているという点です。しかし、実際、先方はそこまでのものを求めていたわけでもなく、もう少し手軽なものを早く出してもらったほうが良かったと思われることも多くあるようです。そういう点では、私たちの完璧主義からの脱却ということも最近よく聞くテーマでもあります。 それでは、2024年以降、私たちが新たな働き方や生き方を実現するには、どのような事をとりいれていきましょうか。これから年末年始を迎えるこのタイミングで、改めて見直してまいりたいと思います。 私たちの理想の働き方はどのような働き方でしょうか。という質問をされることはあると思います。それでは、私たちの理想の生き方はどのような生き方ですか?ということをしっかりと考えたことはありますでしょうか。最近はパーパスという言葉も良く耳にします。私たちは、なぜ生きているのでしょうか。お一人お一人、子供のころから心の中で漠然と思い描く理想の生き方はあると思います。今の自分は自分の価値観の生き方でしょうか。それとも社会の価値観または他者との比較の上に形成された生き方でしょうか。その生き方を実現するためにはどのように働くことが理想でしょうか。 当然ですが、理想に近づくためには現状維持ではなく「何か」を変える必要があります。パーキンソンの研究によれば、私たちは時間があればあるほど、実際は先延ばしにするなどをして時間を埋める。ということが分かりました。日本では、時として、アウトプットの速さではなく、費やされた時間を評価されることもあります。ところが、同じアウトプットがより少ない時間で達成できたら、私たちは、1日に1時間でも2時間でも自分のために時間を使う事ができるのです。1日1時間でも多く自分のために使う事ができたら何ができるでしょうか?私たちは、その時間をどのように使いたいですか?何もやりたい事がない方でも、その一時間を自動的に睡眠にあてる事だけでも効果はあるのです。自分のプライベートの時間が充実すると私たちは活力が湧き、さらに仕事のアウトプットが高くなるという好循環が生まれるということはご存じの通りなのです。その点で、企業としては、斬新かもしれませんが、敢えて短い終業時間を設定するのは効果的かもしれません。生物学的にも人間は太陽が沈んだ後の時間の生産性は下がっていくのです。 そして、タイムマネジメントの見地から、これからの私たちが本気で考えたい事は、「その仕事、本当に必要な仕事かどうか」という事です。そこに紐づくのは完璧主義からの脱却かもしれません。他者にお任せした方がはるかに効果的な事もあります。また、交渉をし、作業工数を減らしたり、期限を延ばしても何ら問題ないこともあったりします。自分が寝ずに仕事をして不機嫌になり周りに当たり散らしたり、近づきがたい雰囲気を醸し出したり、ひどい場合だと燃え尽きてしまうよりは、自分のそしてチームの心の健康を維持することを選ぶことも必要です。 これまでのどんな時も全力で最善を尽くすこと、それが美徳だった時代に感謝と称賛を送りつつも、2024年を迎えるにあたり、私たちはもっと「リラックス」することでアウトプットも高くなり、さらには自己実現もできるようになることを加速させていく時代を意識していく必要があります。自分一人が意識を変える事で実現できる事ではありますが、皆がこの事を理解し合いながら、サポートしあえ得る仲間を創っていくことができれば、さらに状況は早く好転します。一人ひとりが、ゆっくりとリラックスし、充電するよう心掛け、仕事から離れることは、むしろ新しい視点をもつために必要なのです。 かくいう私も、このスペースを取るというシンプルで簡単なことが難しいという事は身を持って実感しています。先日、ある海外の商工会議所のイベントでグローバルに活躍されているリーダーの方々のラウンドテーブルのファシリテーションをさせて頂きました。そこでも、各界をリードされるパネラーの方々は、異口同音に「スペースを取り、しっかりと睡眠をとる事が大切」とおっしゃっていました。それは、その方が特別だからできるのでは?と思いましたが、その方々はある程度キャリアの早い段階でその術を身に着け「ゆっくりすることを自分に許可するようになってからさらにアウトプットが高まった。」とおっしゃっていました。それならば、私たちも意識をすれば、できるのではないか??と思えてきて、勇気をいただきました。 さあみなさん、来年は、どのような働き方、生き方を実践されますか?思いきって2週間または3週間連続で休暇を取ることもプランするもの良いでしょう。自分だけが取りづらいなら、チーム全員で支え合いながら長期休暇を取るカルチャーを創り、その仕組みをつくることを考えるのも良いかもしれません。 さらに言うと、もしかしたら、まだ、今年中にできる事もあります!先ほど同僚と「年内に必ず行いたい事は何か?」というディスカッションをしました。そこでの気づきは、当たり前ですが、、、特に遠くに行く必要もない。とにかく、ご家族や大切な方と過ごす。感謝を伝える。という時間を意識的に持つことが大切だという事でした。または、自分と向き合う時間をつくるという事もできると思います。どうしても、まとまった休暇を取得することが無理ならば、少しの時間でも、無理なく自分がリラックスし、心地よくいられる方法を考えて実践していきましょう。どこに行かなくても、お仕事から離れ、心身を休めるということが、見聞を広げ、大きな気づきに繋がります。 ですから皆さん、今できる小さい一歩から踏み出していきましょう!来年の今ごろは、一人ひとりが一歩一歩の積み上げで、ハッピーで心地よい環境を実感しています!
68人を導くリーダーを超えた人を惹きつけるリーダーになる
27-11-2023
68人を導くリーダーを超えた人を惹きつけるリーダーになる
トレーニング受講者の方々に理想のリーダー像をお聴きすると、最近は人を導くリーダー!人がついてくるリーダー!という事をおっしゃる方が多いです。 さて、人を導くリーダーとは?人がついてくるリーダーとは?どのようなリーダーでしょうか。 それは、リーダーの見た目、何を言うか、どう話すか、どのような行動をとるか、、、この4点から判断される。とデール・カーネギー言っています。 それ等に加えて、そのリーダーは相談しやすい?見守ってくれる包容力があるのか?相手の方が心地よくなるように振舞えているか?ということが問われている。という事になります。置き換えると、信頼や信用に値する方かどうか。という目に見えないことにも起因することなのかもしれません。では、信頼や、信用はどうしたら得られるのでしょうか。多くの方が経験があると思いますが、信頼を得ようとすればするほど信頼を亡くしていくという悪循環。。。あるあるですよね。リーダー論を学び、リーダーとして必要なスキルやテクニカルな項目や条件をクリアしていると、人を導くことができている。というわけでもありません。どうやったら相手が喜ぶか、どう振舞えば人に感動を与えられるのか。を無意識レベルで天性の才能を持ってして出来ている方もいらっしゃいます。その方々の特長について考えてみたいと思います。 さて、目に見えない影響力を持つ、人を導くリーダー、ついて行きたくなるリーダー、どのようなリーダーでしょうか。 時と場合によることは大前提ですが、時間が許すのであれば、指示命令をするのではなく、チームメンバーの方に答えを導かせ、考えに共感をし、激励をし、安心させ、間違っても進んでみよう!というチャレンジをさせられるようにしてあげる事がとても大切です。 答えを与えずに相手に気付いてもらう為には、リーダーは自分の失敗談から話せるようにしておくことがとても大切です。自分が、輝かしい成功事例を持っているリーダーであればあるほど、チームを委縮させてしまうので、そのような方こそ自分の失敗談を沢山話せるようにしておくことはとても効果的です。 その点で、リーダーは良いコミュニケーターであること、ストーリーテラーであることも、人を惹きつける大きな要因になります。ストーリーテリングを行うことでお互いに共感をし、心が繋がるのです。科学的にもストーリーテリングはオキシトシンなどの愛情ホルモンが分泌されることが分かっており、お互いの信頼や繋がりの強化に大きな影響がある事が分かってきました。 人は生まれながらにして物語を聴くことが大好きだということも説明がつきます。 物語を語れる人の周りには人が集まり、物語の主人公を生きている人に人が惹きつけられるのです。「信頼」「魅力」などという言葉だけでは言い表せない輝きや特異性に人は惹きつけられるのです。 ですから皆さん、他の人になろうとせず、自分の人生を生き抜いているリーダーとして輝き続けてください。そうすれば、人が集まり、影響をあたえていくことができます!
67 YouTubeやポッドキャストで話す際の心構え
13-11-2023
67 YouTubeやポッドキャストで話す際の心構え
皆様は動画や音声配信などをされることはありますか? またはどなたかのチャンネルにゲストとして招かれインタビューを受けることは有りますか? 個人事業をされていらっしゃる方や経営者の方でしたらそのような事もあるかもしれません。 最近過去の受講者の方々が自分でチャンネルを始めたり、またはどなたかのチャンネルにゲスト出演をしました!という投稿が多くみられるようになり、彼らの活躍を拝見しながら、心から嬉しく思うこの頃です。  ご存じのように動画撮影や音声集録は実際のオーディエンスの前ではなく、スタジオの中で行われる事が多いです。実際のオーディエンスの前で話すのと、カメラの前で話すのは何か違いがあるでしょうか。今日はこのことについてお話ししてまいりたいと思います。 復習になる方も多いと思いますが、私たちのプレゼン研修では、プレゼンターが気を配る点はいくつかありますとお話ししています。対面のプレゼンでは、オーディエンスと呼吸を合わせて話すことがとても重要です。そのためにはアイコンタクト、間を恐れず、しっかり地に足着けた立ち方や言葉にエネルギーを乗せ、抑揚をつける。そのことで、会場全体と一体感を創る。ということを練習します。 しかし、実際は、機械的に何秒間アイコンタクトをすればよいか、どんな時にどのようなジェスチャーをすればよいか。というテクニカルな事ではなく、プレゼンを通してオーディエンスと感情的に繋がり一体感が生まれるにはどうする?という哲学的な学びになっていきます。 さて、大抵の、動画撮影や音声集録の場合、その場にオーディエンスがいません。そんな時どうしたらよいでしょうか。 私はお陰様で、ラジオやYouTubeやティックトックなどで公開される動画、クライアント企業のポッドキャストにお招きを頂く機会もあります。その際にどのようなことに気を付けているかをご紹介したいと思います。  さて、言うまでもなく、近年は、動画公開、ポッドキャスト配信などは、プロ、またはそうでない方も自由に自分を表現する場としても注目を浴びております。また、オーディエンスは不特定多数で世界中の方がご視聴される可能性があるのです。 事前に準備すべきことは当然のようにありますが、本日は収録中に気をつけたい事をお話ししたいと思います。 メディアトレーニングでは、、、 答えを簡潔に保つよう言われます。答えを短くすることでトラブルを避けることが期待されます。どのような事かというと、場合によっては、編集が入り自分のコメントが一部切り取られて使われることもあるのです。前後の文脈が無いコメントが自分の意とするメッセージと違う形で独り歩きすることも考えられるのです。 善意あるホストの方は配信の前に双方に動画や音声を確認させてくれますので、意図と違うメッセージが伝わることはないと思います。それでも、自分のメッセージをクリアに短く話せるゲストの回答はホストからしてもありがたいです。 ご安心ください!質問に即答する必要はないのです。 先ほどお伝えしたように、ライブ配信でなければ、すべて編集可能です。私も、自分のチャンネル以外のラジオやポッドキャストにゲストで出演させていただくことがありますが、後日音声を確認したら、とてもスムーズに編集されていました。エディターの方の腕に心から感銘を受けました。ゆっくりと答えを考えて落ち着いてお話ししましょう。当然、話し終わった後でも、新たに話を収録し、差し込むこともできたりします。エディターの皆様、本当にありがとうございます。 動画でも音声のみの場合でもホストと目を合わせ、彼らと繋がりましょう。ホストとの繋がりや一体感を出す方が見ている方とも繋がれるようです。しっかりとホストの方に敬意を払い、関心を向けている様子がカメラにも収まり、オーディエンスにもエネルギーとして伝わります。 カメラやマイクを意識せずに常に目の前の方に100%フォーカスしているかどうかがとても大切です。これは気をつけたいポイントだと思います。どうしてもメモや資料を参照する必要がある場合は、オフカメラで行い、後でその部分が編集されることをご確認ください。 音声のみの場合でも、ホストとの繋がりは聴き手に伝わっています。 重要な事は、心から話すことです。 これは専門知識を話す場合でも自分の経験談を話す時でも常に意識してみてください。口先で話している言葉、腹から話している言葉、心から発している言葉、響きが違うのです。エネルギーも違うのです。私がインタビューを受けたチャンネルでは、ホストの方は、瞬間の感動を伝えたいのであまり打ち合わせをしすぎずに本番の収録をしたいという方もいらっしゃいました。その場合はその場にフォーカスをし、どんな事が起こったとしても、その場を楽しめば最高のアウトプットができると思います。「楽しんで」いる人の声は聴き手に沢山のポジティブな影響を与えます。どんなトピックでも「楽しさ」「真心」「慈愛」を乗せて話せるようになったら、そこに注目と支持が集まること間違い無しです!どんな時も自分らしくいる事ができているか。デール・カーネギーの原則でいえば、「他者を真似ない。」ということが最も大切な事なのではないでしょうか。 「楽しんで自分らしくいる事」これは収録にゲストとして参加する時だけではなく、ホストとしても大切な事です。もっと言うと、私たちが生きる上でもとても重要な事だと思います。そのような方々が人々を魅了しているのです。 最後に、声は見えないものですが、見えない物だからこそ、その方の生き方や生命力そのものが伝わってしまいます。外見は表面的に目に見えるものですが、声は耳から体内に深く入り込むものです。私たちが生まれる前、胎児のころから母親のお腹の中で目に見えないものを耳で聴き、感じる力が養われてきたということは無関係ではないと思います。 ですから皆さん、「何を話すか」に加えて「どう話すか」「どう生きるか」にも気を配ってみましょう。そうすれば、どんな時も聴き手を魅了しポジティブな気持ちを伝播することができます。
66 「人を動かす」プロポーザル
30-10-2023
66 「人を動かす」プロポーザル
セールスパーソンの皆様、良いプロポーザルを作成してお客様の購買の意思決定のサポートをしたいと思っていらっしゃると思います。今日はセールスプロポーザルについてセールスパーソンとして成功を修めたデール・カーネギーから、現代に生きる私たちへのメッセージをお届けしたいと思います。   エピソード63でビジネスパーソンがお客様に質問をしてワクワクさせる方法についてお話しました。私たち、セールスパーソンがお客様に適切な質問をしたことで、お客様が欲しいものが明らかになり、お客様は自分自身で欲しいサービスのプロポーザルを頭の中で作成した状態になりました。 そこで、次の段階では、セールスパーソンとしては、彼らの頭の中にある彼らが描いた理想の姿、プロポーザルを形にしてお見せします。 デール・カーネギーはお客様に提案をするときは「段階的に」と言っています。言い換えるとお客様と共に提案内容を「創っていく」ということです。人間誰でも「私たちがお勧めする提案はこれです!」と完成形を見せられるのは押し付けられた感があり、プッシュバックをしたくなるものです。お客様との対話の中でお客様が描いた希望や夢を、段階的に合意形成を得ながら形にしていくことが有効なのです。そうすることで、お客様に、「自分達も共に商品を創り出した!」「これこそまさに、自分達のためのソリューションである!」ということを感じて頂きやすいのです。 デール・カーネギーからのメッセージは、プロポーザルはお客様の感情を引き出すものでなければならない。人々は感情に訴えら得る事で、動かされるものです。プロポーザルであったとしても、お客様の感情を刺激するべきものである。ということを心に留めておいていただきたいと思います。   さて、プロポーザルでお客様の感情を刺激し、感動を呼び起こすにはどうしたら良いでしょうか。 後半で詳しくみていきましょう。  プロポーザルで感情に訴えるには、どうすれば良いでしょうか。 例えば、一つには、過去のお客様の成功事例のエピソードを盛り込むことができます。実際の課題をどのように克服し、成功に導いたのかを語る事で、お客様はストーリーに共感し、その成功が自分にも当てはまった状態を脳内再生し、感情レベルで高揚するのです。まさに、デール・カーネギーの原則「その考えを自分のものと思わせる」を実践することがお客様が感情レベルで私たちにエンゲージできると言えるのではないでしょうか。また、お客様が私たちのソリューションを購入した場合、お客様が社会に与えるメリットなどをドラマチックに演出を考えて表現することも有効です。 そのためにも、お客様に沢山質問をし、お客様の価値観を知り、自分達のソリューションでお客様の課題解決のお役に立てるかどうかを知っておく必要があるのです。弊社ではプロポーザルをディスカッションドラフトと呼んでおります。こちらから企画を提案するのではく、あくまでもお客様の欲しいソリューションについてディスカッションをするための材料であり、この内容をクライアントと一緒に語り形にしていく。共創するためのドラフトと認識しております。自分達が提案するソリューションはお客様が脳内に描いた夢や希望と一致しているのか。ということを意識するはとても大切なのです。 そして、お客様はビジネスパートナーです。ウィンウィンな関係を築くことが大前提です。セールスとしてそのビジネスパートナーの成功にコミットできる場合は、正当なご投資額をしっかりと提示し、自信を持ってフィーを頂戴しましょう。ビジネスパートナーは自分達が受け取るソリューションにしっかりとバリューを感じたいものなのです。そして、ビジネスパートナーは、しっかりと対価を払える企業の体力、器があること、ビジネスパートナーとしてお互いがウィンウィンになる必要があるということを認め合える存在であってほしいと思います。 デール・カーネギーは、プロポーザルはできる限り直接お目にかかりミーティングを持ち、一緒にレビューをしましょう。と言っています。オンラインの場合は、お互いにカメラをオンにして、表情が分かる安心安全な環境をつくりましょう。ミーティングの際に疑問や、懸念をしっかりとお聴きしながら、お互いに提案内容をブラッシュアップする用意があることを前提にディスカッションしましょう。メールでプロポーザルをお送りした場合、書面で一度出た情報、相手の解釈はコントロールできないので、注意が必要です。やむを得ずメールに添付する形でプロポーザルを提出する場合は、事前のヒアリング、信頼構築をしっかりと行い、プロポーザル提出後もお客様から彼らのフィードバックを頂けるようにコミュニケーションをとりながら、段階的にコミットメントを頂けるようにしていきましょう。 プロポーザルは詳細である必要がありますが、且つ、簡潔で明解である必要があります。自社製品に愛があればあるほど、あれもこれも盛り込みたくなるものですが、人間は短いメッセージの方が受け取り易く、記憶に定着しやすいものです。 プロポーザルでお客様の夢と希望を形にすることができ、目の前のお客様がほほ笑んだら、私たちセールスパーソンもワクワクしてきます!セールスパーソンのお仕事は、お客様と「共に」ワクワクを味わうことができる、楽しいお仕事なのです! あるハッピーな経営者の方が、私におっしゃった言葉を紹介します。 「笑顔でいる事で得られるメリットは計り知れません!口角を上げると自分も相手もハッピーな気持ちになります。人を幸せな気分にできる人のところに人もお金も集まってきますよ。」 さあ、皆様、笑顔で、お客様にお会いしましょう!!お客様の笑顔にあなたが癒されることでしょう。皆様と一緒に笑顔で創ったプロポーザルはお客様の感情を刺激するものになることでしょう。
65 リーダーは誰に悩みを打ち明けるべき?
17-10-2023
65 リーダーは誰に悩みを打ち明けるべき?
シャンパンタワーの法則をご存じですか?シャンパンタワーを想像してみてください。 シャンパンがてっぺんのグラスに注がれて、そのグラスが満たされシャンパンが溢れていきます。そうすると、どんどんその下のグラスも順番に満たされていくという光景です。  リーダーシップもリーダー自身の心がしっかりと満たされ、整っていてこそ周りを満たすことができるのです。リーダーは自分を整え、チームを照らす光となり、ポジティブなエネルギー、信念、自信、可能性を伝播させる役割を担っています。もちろんのこと、リーダーの方が整っていないと、チームメンバーにまで影響します。  リーダーの方々はもともとストレスに対処する方法に長けている方が多いです。また、ストレスをストレスと認識していない方も多いようです。そのような方々でも、大きな決定をしなければならない時や、多額の損失を出してしまった時など、心が折れそうになるときがないわけではない。と思います。  リーダーや経営者の方は、起きた結果の最終的な責任を取るのは自分であり、その責任を分配する方もいないことが多く、家族にも言えない事もあります。捉え方一つで起こっている事をポジティブに捉えられるか、そうでないかが決まるとはいえ、もしも心の置き所がないようなモヤモヤがリーダーの方の心の中を占領した時でも、チームに良い影響を与え続ける為には、リーダーとして何ができるでしょうか。  私の知り合いのある経営者の方は、何か問題があるとき、不安が心を占領しそうになった時、その時間を長く持たない。と言っていました。もともと、その方は意識しなくても、常に最悪の事態を受け入れる準備ができていて、何か自分が予想していない事態が起こった時には「では次に何をしよう?」と次の行動に頭を切り替えることが自然に行えているのだとおっしゃいます。そのような強靭な心がある方々でも、どうしようもない時、誰にも打ち明けられないようなことが心の中にあるときは、ある事をしているそうです。 それは、まずは、一旦立ち止まる。この暗い気持ちの状況でやみくもに前に進むより、一度立ち止まり、自分を整える。ということでした。どのようにして整えるか。 それは、紙に書き出して気持ちを整理するのだそうです。 これは、デール・カーネギーもストレスマネジメントに大変有効な方法であると言っています。 デール・カーネギーのストレスマネジメントにもある、悩みを書きだす方法をご紹介します。 何か解決したいことがあった時、次の問いの答えを書き出してみましょう。 心がスッとしてきます。 1.問題点は何か。 いくつかあるかもしれません。これらを冷静に書き出して可視化してみましょう。 2.問題の原因は何か これも、自分に有利な事、不利な事全てを書き出してみましょう。 この時点で少し心が軽くなっているかもしれません。 3.問題のあらゆる可能な解決策は何か。 あらゆる解決策を書き出します。実行または実現可能、不可能のリミットを外して考えてみましょう。ここでは、できるだけ沢山のアイディアを書き出すことが大切です。  4.あらゆる可能な解決策のアイディアを全て書き出した後、その書き出したアイディアの中から最善の解決策は何かを選択し、書き出してみましょう。 そして、その最善の解決策を選択した自分を信じて、行動に移しましょう。 この紙に書きだすプロセスはもう一人の頼れる自分との対話をすることで、自分の心のモヤモヤを言語化し、整理し、可視化することができます。 そして、心が可視化され、整理することができると、たとえその時点で霧が100%晴れないとしても、一筋の光の点す方向が見えるような気持ちになるかもしれません。 少し気持ちが軽くなっているはずです。 この書き出すプロセスは、リーダーはもちろん、どのポジションの方にも有効であると言われています。年々早いペースで処理することが求められる環境の中で生きる私たちですが、急がば回れですね。一旦立ち止まり、気持ちを整えることは、とても大切です。物理的にも下を向いているときは、気分も落ち込みますし、美しい空が視界に入りません。リセットして、目線を上げると、空には太陽、木には花が咲いているものです。 今週、お話ししたある経営者の方が、印象的なことをおっしゃっていました。彼は、悩みがあるときは、仕事の手を一旦止めて歩くそうです。そうすると頭が整理されるのだとおっしゃっていました。しかも、彼は事情が許す場合は裸足になって歩ける場所を探して、裸足で歩くとおっしゃっていました。 一歩一歩地に足をつけて歩きながら、自分の本心と語り合えるということをおっしゃっていました。 ですから皆さん、悩んでいるときは、一旦立ち止まり、自分の心と対話をしてみましょう。そうすれば、自分も知らない自分の声を聴き、満たしてあげることができます!
64 カジュアルなプレゼンはプロフェッショナル?
02-10-2023
64 カジュアルなプレゼンはプロフェッショナル?
私たちのプレゼンテーションの最終ゴールは何でしょうか。 良い情報提供でしょうか。立派に話して素晴らしい自分の姿を見てもらう事でしょうか。言っていることは最もだけど、なにか話を聴いているとモヤモヤする。というプレゼンター、どんなに素晴らしい話をしても、どんなに立派に話してもアンチの方がいる方も沢山います。「出る杭は打たれる。」という言葉で片づけるにはあまりにももったいないと思います。 このポッドキャストで何度かお伝えしていますが、プレゼンテーションの語源はプレゼント。聴き手に何かをプレゼントするという意味も含んでおります。さて、何をプレゼントするものなのでしょうか。私はプレゼンでプレゼントしているものは、その空間の味わいの共有だと思います。誰が何をどう話すか。はとても大切ですが、その空間に流れる一体感や安心感を味わう事を感じさせるプレゼンターになる。という意気込みでプレゼンをされる方、どれほどいらっしゃいますでしょうか。 聴き手との一体感を感じるためには、自分らしく話すこと、「他の誰か」にならないということはとても大切です。 プレゼントレーニングで、必ずと言っていいほど、「自分らしく話す。という点で、自分の出身地の方言で話すのはいかがでしょうか?」という質問を受けます。 自分の出身地の方言で話すことについて、もちろん、答えは一つではないですし、状況にもよりますが、実際にプレゼントレーニングでも、敢えて、自分が話しやすい「方言」で話してみるということをした後に、他の受講者の方に聴いていた感想をお聴きすると、多くの場合、プレゼンターが方言を交えて話したほうが、エネルギーが直球で届き、心が動いた。というフィードバックを得ていました。フォーマルさを意識するあまりに、自分らしくないと、言葉に乗るエネルギーレベルも低く、言葉が宙に浮き、誰にも何も届かないということが発生してしまうようです。ということであれば、自分らしく心地よく話せるような話し方を練習しておくことはとても効果がある事だと思います。ものの程度にもよりますが、方言を交えて話したからと言って、プロフェッショナルではないと思われるでしょうか。考え方次第では、一生懸命標準語で話し、繕った自分で聴き手と繋がりを持てないほうがリスクかもしれません。 さて、冒頭で話したトピックのプレゼンの目的は何かを思い出してみましょう。 良く見せたいのはなぜでしょうか?良い印象を残すことは誰のためなのでしょうか?プレゼンの練習をするのは誰のためでしょうか?私は話し手も聴き手も皆で良い時間を過ごしたと感じるための準備だと思います。ベクトルの方向が直線ではなく、曲線であり、円かもしれません。むしろ線ではなく起点もどこでもないような立体空間を創る事。バブルで包む事。それができる方は威圧感がなく、聴き手は心を平いて聴くことができ、相手が緊張をしてしまうような威圧感や華美な自信で自分を装飾せずに、心理的安全な空間をつくることができます。 ナチュラルでいる方法、、、その一つは、練習をしっかりすることかもしれません。練習をしたら、作り込みすぎでナチュラルでいられないのでは?と聞かれることもあります。これも答えは一つではないと思いますが、一つの考え方として、練習をする事で、プレゼンを心身が記憶し、実際のプレゼンでは自分を信頼し聴き手の呼吸にあわせて話をすすめるることができるようになると思います。練習からプレゼンは始まっているのです。 リンカーンに始まり、歴史に名を残すようなスピーチをする方々の多くは資料作りはもちろんですが、実際のデリバリ―の練習にこそ力を注ぎます。スーパーナチュラルに話していた、かのスティーブ・ジョブズですら、iphoneの発表のプレゼンまでは、数百時間練習をしたということをお聴きします。彼のプレゼンは話し方がうまい。ジェスチャーが良く出来てる。アイコンタクトができている。歩き回りながら場の効果的な場の使い方を行っていた。そのようなテクニカルな事はもちろんですが、むしろ、聴き手、空間との呼吸が合っていて、間の使い方、ユーモア、次の展開を一緒に聴き手と創り出し、聴き手つまり空間一体となり一緒に楽しみ、会場を一つのバブルで包んでいたからこそ、歴史に残るプレゼンとなったのだと思います。まさに、それこそがプレゼンテーションなのだ。と感じました。さらに、プレゼンの資料はシンプルで、ほぼ文字はなく、写真や簡単なグラフの共有により、聴き手にもそのストーリーの創造主になってもらう話し方こそが、真のプレゼンでありプレゼントだと実感させられました。 ですから皆さん、プレゼンは楽しい時間の共有というマインドを持ちましょう。そうすれば、聴き手の心に残るプレゼントを届けることができます。
63 話すのが苦手な方がお客様をワクワクさせる方法
19-09-2023
63 話すのが苦手な方がお客様をワクワクさせる方法
「私は話すのが苦手なので、セールスに自信がないのです。。。」というご相談を受ける事が多いです。このご相談者に対して、皆様だったらどのようにアドバイズしますか? 逆に、「私は話すのが大好きだからセールスの仕事向いていると思います!」という方も多いのですが、そのような方々も、今一度今日のトピックについて、良く考えてみてほしいと思います。 信頼を得るセールスパーソンに共通することは、良い聴き手になるという事です。しかも耳だけで物理的に聞くのではなく、10の目と心で「聴く」という事が大切です。自分がお客様の立場になった時のことを思い描いて下さい。自分のサービスや商品についてあれこれと沢山話すセールスパーソンから物を買いたいでしょうか。私たちは良く聴いてくれて、安心感を与えてくれ、決断の背中を押してくれるセールスパーソンからものを買いたいと思うのです。適切な質問をし、私たちに、そのサービスや商品を購入したらどのような理想的な自分を実現できているか。という言葉の絵を一緒に描いてくれるセールスパーソンから購入したいと思うのです。このことから言えるのは、自分は話すのが苦手だと思っている方こそ、お客様の良い聴き手になることができ、セールスが天職である可能性はとても高いのです!! 私たち人間は、誰かに何かを説き伏せられることは心理的不快感を持ちます。私たちは、自分でアイディアを思いつき、そのアイディアこそ正しい!!と背中を押してくれるセールスパーソンを信頼するのです。 良い聴き手になる方法が分からない。。。話すのが苦手というセールスパーソンの方も、つい自分が話しすぎるというセールスパーソンの方もご安心ください。心得ておくととても効果的な、お客様への質問のモデルがあります。 心得ておくととても効果的なお客様への質問モデルについて確認したいと思います。 次の4つの質問をお客様にしてみてください。 1,「お客様の現状は?」お客様が何かにお困りであればそれの原因について詳しくお聞きしましょう。 2,「お客様の理想の状態は?」お客様の理想の状態をありありと描いていただきましょう。 3,「お客様が、理想の状態に到達しない理由は?」お客様の阻害要因は何でしょうか?これは実際はいくつもあるかもしれません。最初に本当の理由を話してくれない事も多いです。いくつか出てくるまで丁寧に引き出しましょう。その中の最も妨げになっているものが何かをお聴きすると、お客様は心が軽くなり、目の前の私たちをさらに信頼してくださいます。 4,「その理想の状態に到達した際のお客様ご自身の個人的メリットは何ですか?」聴き方としては、「このサービスや商品が手に入ったら、どのようなお気持ちになりますか?」や、「このサービスや商品を使用し、作業効率が上がったら、周りからの反響はどのようなものになるでしょうか。」というような質問をすると良いと思います。お客様の個人的メリットを聴くセールスパーソンにはなかなかお目にかかる機会がないのですが、今日から、ぜひお客様を信頼してこの個人的メリットをお聴きしてみましょう。意外にもお客様は嬉しそうに話してくださいます。そのことでお客様との距離が縮まります。 これらの1~4の質問をそれぞれのサービスや商品に当てはめて質問できるように用意しておけば、お客様が8割話し、自分は2割話すという状況でお客様にワクワクを提供できます。場合によっては、雑談からこれらの情報を聴きだすことをする方もいらっしゃいます。それでも良いかもしれません。理想は、「お客様にどのようなサービスや商品の提供がふさわしいかを知るためにいくつか質問をさせて頂いても良いでしょうか。」という質問をすることの許可頂く質問をし、お客様から最初の「イェス」を引き出すことができるので、この先にスムーズに商談がすすみやすくなります。その時に「No」とおっしゃるお客様はあまりいらっしゃらないとは思いますが、万が一質問をする許可を得る事がすらできなければ、この先どちらにしてもウィンウィンなビジネスパートナーになる事は難しいと思われます。 いつでもお客様フォーカスで、この質問を聴けるように練習をしておきましょう。お客様のワクワクをセールスパーソンが話すのではなく、お客様にお客様の言葉で話していただく事で、お客様は自分のアイディアを導いてくれたセールスパーソンを信頼し、心の距離が近くなったと感じます。 ですから皆さん、お客様に夢を語ってもらいましょう!そうすれば、ビジネスパートナーとして末永いお付き合いをしていくことが可能になります。
62 ウェルビーイングのメリットと実践のための処方箋
05-09-2023
62 ウェルビーイングのメリットと実践のための処方箋
ウェルビーイングな職場の実現の難しさには、これまでの働き方を否定するようなことにもなりかねない。という事も懸念材料の一つかもしれません。これまでは、仕事を優先させてきた。その自分の人生を否定したくない。という気持ちが出てくる方もいらっしゃるかもしれません。これまでの働き方はその時代には合っていた価値観のものとに成り立っていたことは事実です。その価値観で成長発展を遂げてきた事に対する敬意は払われるべきだという事も忘れないようにしたいものです。 その上で、現在は、多様性が重んじられる職場環境で、自分の個性や特性が認められ、最大限に発揮できる働き方、生き方を追求できるかどうかという点が、ウェルビーイングには大きく影響しているのです。多様な働き方という点では、これまでのように、オフィスで決まった時間に就労するという選択肢以外の働き方も一般的になってまいりました。個人事業主でなくても、自分に合った場所で自分にあった時間に働くということが選択肢なってきたのです。 ウェルビーイングな職場環境の実現、自分の個性や特性を活かし、自分にあった働き方、生き方を選択することが可能な今、皆さんの理想の働き方、生き方はどのようなものでしょうか?その働き方、生き方が実現できたら皆さんの人生にどのようなインパクトがありますか?実際に自分が実現したい事を思い描き、それらを実現できるように、私たち一人ひとりの想いと力を集結させていきましょう。 ハーバード大学の研究によれば、幸福度が高い方の共通点は、人間関係が良好である。ということも証明されております。良好な人間関係を築く方法、ストレスを低減する方法はデール・カーネギーが100年以上前からお伝えしてきたことです。さらに言うと、デール・カーネギーの60の人間関係とストレスに対処する原則を実践することは、心身の健康と幸福を恒常的に保つためのソリューションになると思います。ウェルビーイングのトレーニングでも60のデール・カーネギーの原則の中から自分が実践したいものを選びディスカッションをします。今日はその中でも特に重要だと思えるデール・カーネギーの人間関係とストレスに対処する原則からそれぞれ3つづつご紹介させて頂きます。 まず、人間関係の原則から3つご紹介します。 1. 批判、非難もしない。不平も言わない。 言葉は、相手だけではなく、自分の耳も聴いているのです。リフレームしたり学びに変換してみるゲームだと思ってこの実践してみるのはいかがでしょうか。 2. 笑顔で接する。 これも相手のために笑顔を創るという事ももちろん大切ですが、口角を上げる事の効果も科学的に証明されています。嬉しいから笑うという事だけではなく、笑うから嬉しくなるという心理効果も自分のためにつかってみましょう。 3. まず褒める 弊社のトレーニングでは効果的に相手を誠実に認めて伝える方法を練習します。感謝の気持ちを伝える事は、恥ずかしいとおっしゃる方もいらっしゃいます。実際に褒め言葉や感謝の気持ちを効果的に伝えるトレーニングを行うと、褒められた方だけではなく、褒め言葉を伝えた方も気持ちが暖かくなり、お互いに良い影響を及ぼすことを実感いただけます。これが職場に定着したら、さらにチャレンジしてみよう!というポジティブな環境が醸成されます。 つづいて、ストレスに対処する原則から3つご紹介します。 1.今日という「一日の区切り」で生きる これまでの失敗や過去のネガティブな事、未来の不安を心から切り離し、今の幸福に感謝の気持ちを向ける事が出来れば、恒常的に幸福を手に入れる事ができます。 2.祝福を数えて、悩みを数えない 私たちは、つい、できてない事、持っていないもの、もっと言うと、あれがあったら幸せなのに手に入らない!という「欲しいもの」に目がいきます。既に持っているもの、当たり前にあるものに感謝はできていますでしょうか。人間の脳は一度に一つの事しか考えられないと言いますから、既にあるものに感謝することで心を満たしましょう 3.他者をまねない ありのままでいる事は簡単なようで、本当に難しいのです。デール・カーネギーは言いました。「他者を真似るな。良い部分も悪い部分も含んだデール・カーネギーになれ」他者と自分を比較せず、かっこつけず、自分らしく、良い部分もちょっとお茶目な部分も全て自分として愛しましょう。私たちは自分に対して厳しすぎるかもしれません。良く見せようという気持ちも出てきてしまいます。心の重荷を降ろし、軽い気持ちで日々を過ごしたいものです。 皆が心地よく、働きやすく生きやすく、自己実現が可能な社会をつくる事ができる時代の過渡期を謳歌しましょう。このようなことを公に語れる時代に生きている事に感謝です。私自らも、理想の働き方、生き方を実践し、社会全体に良い影響を及ぼせるように尽力してまいります! 最後にデール・カーネギーのこの言葉をご紹介したいと思います。 “この世界には、富よりもはるかに大切なものがあります。その一つは、単純なことを楽しむ能力です。 私たちは、”今日“という限られた大切な時間を生きることに満足することができるのです” ですから皆さん、私たち一人一人が自分の今の祝福を数え感謝しましょう!そうすれば、社会全体が恒常的に高い幸福度を保ち続けることができます!
61 アンガーマネジメントに効くデール・カーネギーからの処方箋: ビジネス 達人の教え
26-08-2023
61 アンガーマネジメントに効くデール・カーネギーからの処方箋: ビジネス 達人の教え
皆様は、頭に血がのぼって、怒りを抑えきれなくなってしまった、、、という経験をしたことはありますか?職場においては、怒りはハラスメントにも通じる言動を引き起こすことにもなりかねません。 もちろん、怒りを外に出さないようにしていても、何かのきっかけで感情が抑えきれなくなり、つい普段なら言わないようなことを言ってしまったり、、、、感謝の気持ちがないわけではないのですが、怒りの気持ちのほうが勝ってしまうこともあるかもしれません。相手に怒りをぶつけないとしても、怒りのあまり、自分を攻撃してしまったり、つい涙が出てしまう事もあるかもしれません。外に向けられる分かりやすい怒りでなくても、怒りを心の中にため込んでいる状態はお辛いですよね。職場ではうまく乗り切ったように見えても、職場を出てから家族や初対面のお店の店員さんにキレてしまった。。。ということもあるかもしれません。一人で怒りをどう処理したらいいのかわからずに、自虐的になったり、自己嫌悪に陥ったりしている方も、いらっしゃるかもしれません。 デール・カーネギーは、道は開けるの中で、ある喫茶店経営者のエピソードを紹介しています。そのある喫茶店経営者が経営するお店の料理人がコーヒーをお皿で飲むと言って聞かなかった事に対して、怒り心頭でその料理人を銃を片手に追い回したそうです。結局その経営者はご自身が心臓麻痺で命を落としたそうです。・・・分かりきっていることですが、怒ることは、自分に対しても良い影響を及ぼしません。 そもそも、怒りは二次感情だということはご存じでしたでしょうか?私たちは瞬間的についカッとしてしまいますが、その背景には悲しいとか、寂しいとか、認められなくて悔しい、などの一次感情があります。一次感情の存在に気づいてあげ、その感情を癒してあげることが必要なのです。そして、怒りが体内に発生する化学物質によって引き起こされていることを理解しましょう。私たちの身体が自然な反応を示しているということを理解すると、なんだか自分が愛おしく感じるものです。大切な自分という存在の中に怒りを持ち続けている事は自分の体内に有害物質を増殖させている事だと分かれば、怒りをうまく別のエネルギーに転換できるようになりたいものです。 アンガーマネジメントという言葉をお聴きになったことがある方は多いと思います。デール・カーネギーが100年以上も前に考案した人間関係とストレスマネジメントの原則の中には現代の私たちのアンガーマネジメントにも有効だと思われる原則があります。 それでは、現代のアンガーマネジメントにも有効と思われるデール・カーネギーの原則をみてまいりましょう。今回はストレスマネジメントの原則に特化してお話ししてまいりたいと思います。 1.心身の健康上、悩みに対して支払っている法外な代償のことを思い出す。 これは、前半でも申し上げたことですが、そもそも悩んでいることや、怒っていることで、自分の身体にこそ悪影響を及ぼすということは私たちの誰もが知っている事です。自分のためにもまず、安定した心を持つことを選択しましょう。 2.次の問いの答えを書き記してみる。 a.     問題点は何か b.    問題の原因は何か c.     問題のあらゆる可能な解決策は何か d.    最善の解決策は何か 判断を一時保留にしてみましょう。怒りがこみあげてきそうになったら、目の前で起こっている事柄を客観的に見てみる。場合によっては、自分の怒りの原因は何?どうして怒っている?というような文脈でこのa-dの問いを自分に問うてみることも有効だと思います。そうすると、本当は悲しい。もっと認められたい。。。という本当の願望が出てきたりします。その感情を見つけてあげ、掘り下げて、自ら向き合ってあげると、向けどころがないと思っていた怒りは、自分の本心がむき出しになったことで対処できたり、昇華することもあるかもしれません。 3.祝福を数えて悩みを数えない。 アンガーマネジメントにおいて、6秒ルールというのをお聴きになったことがある方もいらっしゃるかもしれません。実際に怒りの感情がこみあげてきたときは「6秒間花の名前を言ってみましょう。」などというテクニックがあるようですが、人間の直感が思考に切り替わるのが6秒間だと言われています。その感情優位の6秒を花の名前を言って乗り切り、その後、冷静な思考を使って考えるということができるというテクニックです。デール・カーネギー流に言えば、その6秒間は何か自分が普段感謝している祝福を思い出す時間にあててみるのも良いかもしれません。 また、自分を安心させるセルフトークを準備するという事も有益かもしれません。つい笑えるのは、私が少し余裕がなくなってくると、猫好きの同僚が「にゃんとかなる~🐈」と言って和ませてくれます。つい笑ってしまったり、肩の力が抜けると体内にストレス低減に有効なホルモンが分泌されますから、緊急時に自分に掛けるための言葉を常備しておくことはお勧めです。そして素晴らしいことに、リラックスしているときにこそ、パフォーマンスは最大化されるものなのです。 4.敵に仕返しをしない 他者を攻撃しないことは、本当は自分のためであることを、改めてリマインドしたいと思います。他者への激しい非難を始める前に、相手の身になり「人は不完全であり、それゆえに完全である」事を心に留めておきましょう。相手にも何かの事情があるのかもしれません。相手を攻撃しようと思う事は自分の体内に有害な化学物質を増殖している事にもつながるということであれば、いつまでも怒りで心を満たしておきたいでしょうか?太っ腹で許すことが自分にとって最も有益な事ということになります。 5.疲れてしまわないうちに休息する。 実際に体力的に疲れていると心の余裕もなくなります。ストレス耐性を整える意味でも、疲れ切ってしまう前にこまめな休息をとることができていれば、精神的にも強くなり余裕を持てます。休息時間に軽い運動ができればポジティブなエネルギーが充電されます。そうすれば、怒りの感情がそもそも湧きにくい耐性ができてくるのです。また、広い意味で休息ということで、、、怒りが湧いてきたとき、実際に怒りの渦中にいるときは冷静な判断もし兼ねます。目の前に起こっていることから物理的な距離を取り、一旦離れる事も大切です。ここは思い切って一休み。可能でしたら、少し外の空気を吸いに行く。手や顔を洗いに行くことでも良いかもしれません。翌朝に冷静になったら、別の視点で物事が見れるという事も有りますよね。  さて、いかがでしたでしょうか。 「人間は感情の生き物である」と言っているデール本人も「人を動かす」や「道は開ける」の中で、ついカッとなってしまった。というエピソードを共有しています。人間ですから、意図せずに頭に血がのぼってしまうこともあります。そもそも育った環境や、その中で形成された価値観、生まれ持った脳の構造などにより、怒りの耐性、強弱は個人差があるようです。 デール・カーネギーは、起きている出来事や感情の変化による違和感を否定せず味わい、その上で自分は自分で大丈夫と、自己肯定感を持つことで自分にも他者にも寛容になれるというメッセージを現代の私たちに伝えたかったのだと思います。他者に関心を向け、他者の身になったコミュニケーションをとる事で、感情に任せた言動でお互いが傷つくことがない、良好な人間関係を築くことができる方法を30の原則としてまとめ、残したのでした。 論理的で建設的な方であれば、心穏やかに過ごすことが自分を含める周りの全てにとって良い影響をもたらすということはお分かりだと思います。自分の幸せは自分の心が決めている。という事を改めて再確認し、どのような事が起こっても、感謝の心で生きることを決める。ということをしたほうが得策かもしれません。怒りが湧いてうまくアンガーマネジメントを行う事ができるようになることも大切ですが、それでは、一生火の用心をせずに火消しをし続ける人生になってしまいます。 怒っていても不毛なのです。とはいえ、人間は自分で決めた幸せの方向に向き続ける事が、実は一番難しいのかもしれません。たとえ目の前がどんな状況でも、その状況に感謝し、柔和な心でい続けることが私たちの人生の壮大なテーマなのだとすら感じます。 ですから皆さん、常に自分の心はマシュマロのような柔らかく丸い心だと信じましょう。そうすれば、落ちても、ぶつかっても、傷つかない、ふわふわな気持ちでい続けることができます。
60 インクルージョンを実現するコミュニケーション ストーリーテリング編
06-08-2023
60 インクルージョンを実現するコミュニケーション ストーリーテリング編
前回はインクルージョンを実現するためのコミュニケーションスタイルを把握することについてお話をしました。 今回もインクルージョンを実現するためのコミュニケーションについてのお話です。そのコミュニケーション方法、ストーリーテリングをご紹介したいと思います。 ストーリーテリングは最近よく耳にするという方も多いかもしれません。 人は物語を聴くのが大好きです。物語の中の主人公に感情移入し、その物語の中に自分の身を実際に置き一体感を感じながら聴くことで、ストーリーを疑似体験できるからです。話し手はそれを意識し、自分の物語の中を聴き手が旅できるようなストーリーを話すことができたら、聴き手との一体感、すなわちインクルージョンが実現するのです。 どうやって話せば良いの?と思われる方、まさに、昔話を思い出すとお分かりだと思います。むかし話は、通常、「むかーしむかし、あるところに、お爺さんとおばあさんがいました。お爺さんは、、、」という感じで、時と場所からスタートし、登場人物を紹介した後にストーリーを話します。 このことで、聴き手の心は話し手のストーリーの場面に瞬間移動し、頭の中で話し手が話すストーリーの映像を再生し始めます。 そして、話し手が結論を話す前に、聴き手は話し手が伝えたい結論を一緒に導き、自分も参加して一緒に物語の結末を作りあげたような気持ちになります。 それがストーリーテリングのパワフルさなのです。 ビジネスのシーンでは最初に結論から話しましょう。と言われているかもしれません。場合によっては結論から話すことは有効だと思いますが、万が一、その結論が聴き手が聴きたい結論と違う場合、聴き手は耳を、そして心を閉ざしてしまいます。そうなれば、結論のあとに伝えられた根拠を聴けば聞くほど、自分とは違う意見を説得されているような気持ちになり、モヤモヤしたまま聞いてしまうので、聴き手からの合意を得るハードルは高くなってしまうのです。 売れているセールスパーソン、人を惹きつけるプレゼンター、リーダーの方々は相手を自分のストーリーの中に巻き込んで相手と一緒に結論を創る。このストーリーテリングの方法で話していることが多いです。 ストーリーテリングの話し方で、注目したい点は、ストーリーを話す時は自分の経験談を交えることがパワフルだということです。話し手は自分の話ですから感情を込めて話せます。自分のストーリーを感情を込めて話す方の話は誰も否定することはできません。聴き手に共感して聴いてもらえることで、一体感が生まれるのです。 お一人お一人全ての方が、違う経験、価値観、を持つ多様な個の集合体が組織です。場合によってはアンコンシャスバイヤス、自分も気づいていない思い込みを持って生きていることに気づかされる事もあるでしょう。 例えば、、、。リーダーがこんなメッセージを言ったとします。 「最近のグローバルスタンダードも失敗を恐れない行動力に牽引されています!さあ、皆さんも失敗を恐れず、どんどんチャレンジしましょう。失敗は大歓迎です。そこから学べばいいのです。」 失敗大歓迎と言ってくれるリーダー素晴らしいですね!!このメッセージにその方の経験談を加えストーリーテリングで話すことで、聴き手と一体感が生まれます。実際はグローバルスタンダートと言われても、ここは日本だし、着実に堅実に物事を進めることが美徳です。もちろん失敗は成功のもとということは、わかっていますが、失敗はゆるされないですよ。。。と心の中で反発してしまいます。 そこで、ストーリーテリングを交えてお話しをしてみましょう。 私が小学生のころです。宮城県仙台市で育った私は、高学年になると冬には毎年学校行事で、バスを貸切って泉ヶ岳にスキー教室に行きます。私たちは雪のゲレンデに到着すると「早く滑らせてほしい!!!」と先走っていましたが、インストラクターの方は「まず転び方を学ぶことが一番大切。」と言って、本当は滑れるのに敢えて転ぶことから練習がスタートしました。実際にリフトで上から滑る時には、転び方が分かっているので「転んだらどうしよう。」という不安なく滑ることができました。今ではグローバルのIT企業でも「フェイルファースト」という言葉が定着しているように、早く失敗するというのは成功へのステップに考えられています。 ですから皆さん、失敗は転び方の練習と思って何事にもどんどんチャレンジしましょう。そうすれば回り道に思えても、最短距離を軽やかに進むことができます! このように、東北の小学生のエピソードとグローバル企業の価値観を結び付けインクルージョンを実現することがストーリーテリングの話し方です。 ということで、ですから皆さん、自分の経験、想い、をストーリーとして話しましょう。そうすれば、お互いに共感しあい、尊重しあう、インクルージョンな社会を実現できます。
59 インクルージョンを実現するコミュニケーション
10-07-2023
59 インクルージョンを実現するコミュニケーション
ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DEI)を多くの企業が目指しています。多様な人材の活躍を実現するためには、職場環境の中でインクルージョンを確保することがとても大切です。その目標を実現するためにはどうしたら良いのでしょうか。インクルージョンを実現するためには意識的な取り組みが必要となります。チームメンバーが高いコミュニケーション能力を持つことで、互いを理解し、違いを受け入れることが可能になります。  皆様は、高いパフォーマンスを発揮するために、どのような事を配慮していますか。相手を思いやる気持ちで話していますか?声のトーンや話すスピードに気を配っていますか?適切な語彙選びはできていますか?難しいことを難しく話すことは果たして相手に対して配慮があるでしょうか。相手から好感を持ってもらうためには、どのような方にも分かりやすく、聴き手を委縮させない話しやコミュニケーションができるかどうかが大切なのです。コミュニケーションは相手に好感を持ってもらう事がゴールです。誰でも自分に自信を持たせてくれる人の話を好んで聴きたいと思うのです。その逆で、自信を失わせるような人の話は誰も好んで聞きたいとは思わないことは、私たちは知っています。であるならば、平易な言葉を敢えて使う配慮はインクルージョンの見地からもとても重要です。  インクルーション実現に有効なコミュニケーションとして、大きく分けて4つのコミュニケーションスタイルを把握することも大切になります。 1. 友好型:一般的に人が好きで、前向きで自信にあふれ、幸せである傾向にあります。 2. 分析型:詳細や事実、統計、証拠を重視し、分析的思考の傾向があります。 3. 興奮型:口が先走ったり、話が飛んだり、トピックが高速で移り変わる傾向があります。 4. 支配型:物事を進めたり、決定を下したりし、他者には自分の思い通りに動いてほしいと考える傾向にあります。 私たちは、それぞれ異なるコミュニケーションスタイルを持ちます。自分のコミュニケーションスタイルが最も正しい、心地よいと考え、他のタイプの方を受け入れにくい、または、相手に変わってもらいたいと思うかもしれません。自分に置き換えると簡単に分かることですが、それはとても難しく、相手にとっても心地良くない事なのです。どうすれば良いのでしょうか。それは、お互いがそれぞれのタイプにあわせて異なるアプローチを行う必要があるのです。もし、お相手の方の話すペースが速いなら、私たちは通常のスピードよりも速く話す必要があるかもしれません。相手を説得する場合、相手の好みのコミュニケーションスタイルに合わせることで、相手が心地よくなり、心のバリアを取り除くことができます。 多様性とは国籍、人種、性別、年齢、宗教、その他の目に見えて分かる違い以外にも、同じ属性の中でもそれぞれの個が持つ価値観の違い、考え方の違い、表現方法の違い、様々な違いを理解することから始まります。インクルージョンは、それらの考えをお互いに尊重しあい活かしあうことなのです。お互いに違う考えを持つ者同士が共にコラボレーションするからこそ、新しい学びや気づきを得ることができるのです。そして、お互いが苦労なく楽しみながらできる得意な才能を出し合って、助け合いながら、補い合いながら、組織として高いパフォーマンスを出し合えるようになる環境が実現していくのです。 ですから皆さん、お互いの違いを楽しみ、慈しみながら、受け入れていきましょう。 そうすれば、皆が一つになり、イノベーティブな環境を生みだすことができます!